税金の基礎知識(2)

所得の種類が分かったら、所得税のおおまかな計算の流れをご紹介します。

計算式にそって税金のしくみを確認しましょう。

所得税計算の流れ

所得税計算の流れ (1)分離課税の所得税額 + (2)総合課税の所得税額 - 税額控除 = 所得税額の確定 分離課税(上場株式等や土地等の売却益など) 収入金額(例)株式の売却収入 - 必要経費(例)株式の所得費 = 所得金額※3 (例)株式譲渡所得 × 税率 = 所得税額(1) 分離課税の税率※5 (所得税+住民税) 主な分離課税の所得 分離課税(単独で税額を計算) 譲渡所得: ・上場株式等の売却益 ・株式投資信託、公社債、公社債投資信託の売却益、解約益、償還差益 など 配当所得※1: ・上場株式等の配当金 ・公募株式投資信託の分配金 など 雑所費: ・先物取引 ・取引所FX・店頭FXの利益 一時所得: ・金融類似商品である生命保険の満期保険金(源泉分離課税) 利子所得※2: ・預貯金の利子(原則として源泉分離課税) ・公社債、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の分配金 分離課税(その他の所得) 単独で税額を計算 山林所得: 所有期間5年を超える山林の伐採や、売却による収入 退職所得: 退職により勤務先から受取る退職手当などの所得 譲渡所得: 土地、建物などの資産を売却した時の所得
総合課税(配当金や給与など) 課税所得 収入金額(配当金、給与、年金など) - 必要経費(急所所得控除 公的年金の控除など) = 所得金額※3 配当所得、雑所得、給与所得などの合算 - 所得控除※4 配偶者控除、社会保険料控除など × 税率 総合課税の税率※5 * 超過累進課税方式 = 所得税額(2) 主な総合課税の所得 総合課税(主な金融商品の所得) それぞれの所得を合算して超累進課税 配当所得※1: ・株式等の配当金 ・株式投資信託の収益分配金 など 雑所費: ・公的年金や個人年金、仮想通貨から生じる利益 など 一時所得: ・生命保険の満期金(一時金)、福引や懸賞の賞金(宝くじ、totoは非課税) 総合課税(その他の所得) それぞれの所得を合算して超累進課税 給与所得: 給料、賞与、役員報酬などの所得 不動産所得: 土地、建物、駐車場などの貸付けの所得 事業所得: いわゆる自営業者の所得 譲渡所得: ゴルフ会員権、骨とう品、美術品、貴金属を売却したときの所得 所得税・住民税の速算表 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):195万以下 所得税 税率:5% 控除額:? 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:15% 控除額:? 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):195万超~330万円以下 所得税 税率:10% 控除額:97,500円 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:20% 控除額:97,500円 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):330万超~695万円以下 所得税 税率:20% 控除額:427,500円 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:30% 控除額:427,500円 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):695万超~900万円以下 所得税 税率:23% 控除額:636,000円 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:33% 控除額:636,000円 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):900万超~1,800万円以下 所得税 税率:33% 控除額:1,536,000円 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:43% 控除額:1,536,000円 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):1,800万超~4,000万円以下 所得税 税率:40% 控除額:2,796,000円 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:50% 控除額:2,796,000円 課税所得金額(1,000円以下は切り捨て):4,000万円超 所得税 税率:45% 控除額:4,796,000円 住民税 税率:一律10% 所得税 + 住民税 税率:55% 控除額:4,796,000円
  • ※1
    上場株式等の配当等については、総合課税か申告分離課税または申告しないことを選択することが可能です(詳しくは「株式の税金」をご覧ください)。
  • ※2
    一部の特殊なものを除き、預貯金の利子は源泉分離課税となるので、確定申告書には記載しません。一方、特定公社債や公募公社債投資信託の利子は、原則として、申告分離課税ですが、申告しないことを選択できます。
  • ※3
    配偶者控除の所得要件などは申告分離課税の所得金額と総合課税の所得金額の合計金額で判断されます。
  • ※4
    控除しきれなかった所得控除は、その年の分離課税の所得金額から控除できます。
  • ※5
    所得税の確定申告をした後で、市町村がその情報をもとに住民税を計算し、賦課します。

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