債券とは(1)

債券は比較的安全性が高く、好利回りの金融商品です

債券とは、国や地方公共団体、民間企業などが資金を調達したい場合に、定期的な利息の支払および額面金額での償還を投資家に約束して発行する有価証券であり、証券会社や銀行などで取扱われています。なお、債券を発行する者を「発行体」といいます。

債券はその性格上、株式ほどの大きなリターンは期待できませんが、一般的に銀行等の預貯金よりも利息が高いのが特徴です。また、債券は原則としていつでも時価で売却できますので、一定の流動性も兼備えています。

ただし、債券については、万一発行体の経営(財政)が破綻した場合には、定期的な利息の支払および額面金額での償還が行なわれない場合があります。債券の購入を検討する際には、この点についてあらかじめ留意しておく必要があります。

債券が発行される際にはあらかじめ各種の条件が決められます

債券が発行される際には、あらかじめ各種の条件が決められます。主な債券の発行条件の定義・ポイントを表にまとめると、以下のとおりとなります。

債券の発行条件
額面金額
  • 債券を購入する際の単位金額、また償還日に返済される金額のこと
  • 1万円、5万円、100万円など、銘柄によってさまざま
表面利率
  • 額面金額に対する1年間の利息の割合
発行価格
  • 債券が新規発行されるときの価格
  • 必ず額面(100円)で発行されるわけではなく、100円よりも高い価格、あるいは低い価格で発行されることもある
償還日
  • 債券の額面金額が償還される日
  • 債券は額面(100円)で償還される
利払日
  • 利付債で利息が支払われる日

債券にはさまざまな種類のものがあります

債券は、発行体や発行通貨などによって、さまざまな種類のものがあります。主な債券の種類を表にまとめると、以下のとおりとなります。

主な債券の種類
国債
  • 国が発行する債券
個人向け国債
  • 国債の一種で、購入対象を個人に限定したもの
  • 1万円から購入できる
  • 3年債(固定金利)、5年債(固定金利)、10年債(変動金利)の3タイプがある
地方債
  • 都道府県や政令指定都市などが発行する債券
社債
  • 民間企業が発行する債券
転換社債型新株予約権付社債(CB)
  • 発行時に決められた一定の条件で発行会社の株式に転換できる債券
  • 社債としての安全性と株式としての収益性を兼ね備えている
円建外債
  • 国際機関・外国の政府や地方公共団体・民間企業が国内外で発行する円建ての債券、または日本の企業などが国外で発行する円建ての債券
  • 払込・利払・償還のすべてが円建てで行なわれるので、為替変動リスクがない
  • 外国の発行体により日本国内で発行されるものをサムライ債という
外貨建外債
  • 国際機関・外国の政府や地方公共団体・民間企業または日本の企業などが、国内外で米ドルやユーロなどの外貨建てで発行する債券
  • 払込・利払・償還のすべてが外貨建てで行なわれるので、為替変動リスクがある
  • 外国の発行体により日本国内で発行されるものをショーグン債という
ゼロクーポン債
  • 海外で発行される外貨建ての割引債
  • 割引債なので、利払いはない
  • 払込・償還とも外貨建てで行なわれるので、為替変動リスクがある

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