先物取引・オプション取引

先物取引は将来の一定期日にあらかじめ取り決めた条件で売買することです

先物取引とは、ある商品を将来の一定期日に、あらかじめ取り決めた条件で売買することです。
先物取引のイメージ例は以下のとおりです。

先物取引のイメージ例

4月のある日、鈴木さんは宝飾店で見つけた10万円のダイヤモンドがどうしてもほしいと思いました。3カ月後に10万円が手元に入るので、そのお金で買いたいと考えています。しかし、3カ月後に価格が10万円を超えたら、買うことをあきらめなければなりません。でも、それはどうしてもいやです。
そこで鈴木さんは、そのダイヤモンドを「3カ月後の7月に10万円で買う」という契約を宝飾店と結びました。そして、7月に当初の契約どおり、10万円でそのダイヤモンドを買いました。

この取引のポイントは以下のとおりです。

  • 4月の時点では3カ月先の価格がどうなるか分かりません。「10万円よりも高くなって買えなくなった」というリスクを回避できます。
  • 3カ月先に価格が10万円よりも安くなっている可能性もあり、結果的に「先物取引をしなければ良かった」ということがあるかもしれません。しかし、先物取引をすることによって、「10万円よりも高くなって買えなくなるかもしれない」という心配がなくなります。

もともと先物取引は、このような将来の価格変動によるリスクを回避するために、綿花などの商品取引の分野で発展してきましたが、現在では株価指数や債券などの金融取引の分野にも広く普及しています。

わが国の先物取引には、日経平均株価を取引対象とする 日経225先物取引(大阪取引所)やTOPIXを取引対象とする TOPIX先物取引(大阪取引所)などの株価指数先物取引や、長期国債先物取引(大阪取引所)などの債券先物取引などがあります。

なお、株価指数や債券などの金融取引の場合、実際に商品の受渡しをせずに売値と買値の差額だけで決済するので、投資家にとっては金融商品の1つとして資産運用に活用できます。

オプション取引は「権利」を売買する取引です

オプションとは、ある特定の商品をあらかじめ定められた期日までにあらかじめ定められた価格で買うまたは売る権利です。買う権利を「コールオプション」、売る権利を「プットオプション」といいます。オプション取引とは、このコールオプションまたはプットオプションを売買することをいいます。

なお、わが国のオプション取引には、日経平均株価オプション取引(大阪取引所)やTOPIXオプション取引(大阪取引所)などの株価指数オプション取引や、長期国債先物オプション取引(大阪取引所)などの債券先物オプション取引などがあります。

オプション取引にはいくつかの基本的な用語があります

オプション取引を始める際には、いくつかの知っておきたい基本的な用語があります。詳しくは以下のとおりです。

(1)オプション料(プレミアム)

オプションの買い手は、その権利獲得のために権利料をオプションの売り手に支払いますが、その権利料のことをオプション料(プレミアム)といいます。

(2)原資産価格

原資産価格とは、オプションの対象商品(日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)、長期国債先物など)の価格をいいます。

(3)権利行使期間

権利行使期間とは、オプションを権利行使することができる期間です。なお、権利行使することができる最後の日を権利行使最終日(満期日)といいます。
なお、満期日までの間いつでも権利行使できるものを「アメリカンオプション」、満期日のみに権利行使できるものを「ヨーロピアンオプション」といいます。

(4)権利行使価格

権利行使価格とは、原資産を買う権利または売る権利を行使するときの決められた売買価格です。権利行使価格は、取引開始前に決定されます。

なお、オプション料(プレミアム)は、実際の原資産価格とこの権利行使価格とのカイ離によって変動しますので、タイミングを計った売買で利益を獲得することが可能であり、数多くの投資家がこれを狙って取引を行なっています。

(5)ボラティリティ

ボラティリティとは、原資産価格がある一定期間においてどの程度の変動性を持っているかということです。

オプション取引には4つのポジションがあります

オプション取引とは、コールオプションまたはプットオプションを売買することです。オプション取引には次の4つのポジションがあります。一般的な概要は以下のとおりです。

(1)コールオプションの買い

コールオプションの買いとは、オプション料(プレミアム)を支払って「原資産を権利行使価格で買う権利」を買うことです。

コールオプションの買い手は、原資産価格に応じて権利を行使できます。この取引のイメージ例は以下のとおりです。


「A社株を1,000円で買う権利」をプレミアム100円で買ったとします。
将来、株価が1,500円になった場合、権利を行使してA社株を1,000円で購入し、市場において1,500円で売却すれば500円の利益を得ることができます(権利獲得のためにプレミアムを100円支払っているので、実質的には400円の利益となります)。
反対に将来の株価が800円になった場合、市場において800円で調達できるA社株を権利を行使して1,000円で購入する必要はないので、権利を放棄します。その場合の損失額はプレミアムとして支払った100円となります。株価がどこまで下がろうとも、権利を放棄してしまえば、損失は100円で済みます。

損益図

(2)コールオプションの売り

コールオプションの売りとは、オプション料(プレミアム)を受取って「原資産を権利行使価格で買う権利」を売ることです。

コールオプションの売り手は、コールオプションの買い手が権利を行使した場合、それに応じる義務があります。この取引のイメージ例は以下のとおりです。


あなたは将来、B社の株価が1,100円を下回ると予想しています。ところが友人は逆に株価は1,100円を上回ると予想しています。そこであなたは将来、B社株を1,000円で買う権利をプレミアム100円で友人に売ることにしました。この時点であなたはプレミアム100円を受取ることができます。
予想どおり株価が下落し800円となった場合、友人はわざわざ権利を行使して市場よりも高い価格でB社株を購入しようとは思いません。友人は権利を放棄し、プレミアム100円があなたの利益となります。
反対に株価が1,300円になったとしたとします。友人は当然、権利を行使してB社株を1,000円で購入しようとします。あなたは友人の相手方となって、1,000円で株を譲らなければなりません。友人は1,000円で手にした株式を市場において1,300円で売却し、プレミアム100円のコストを差引いても200円の利益となります。逆にあなたはB社株を1,000円で友人に売るために、市場から1,300円で株式を調達しなければなりません。
1,300円で調達したものを1,000円で譲るわけですから、300円の損失です。プレミアムとして受取っていた100円を差引いても200円の損失です。

損益図

(3)プットオプションの買い

プットオプションの買いとは、オプション料(プレミアム)を支払って「原資産を権利行使価格で売る権利」を買うことです。

プットオプションの買い手は、原資産価格に応じて権利を行使できます。この取引のイメージ例は以下のとおりです。


「C社株を1,000円で売る権利」をプレミアム100円で買ったとします。 将来、株価が700円になった場合、市場でC社株を700円で購入して、もともとの権利を行使してC社株を1,000円で売却すれば300円の利益を得ることができます(権利獲得のためにプレミアムを100円支払っているので、実質的には200円の利益となります)。
反対に将来の株価が1,200円になった場合、市場から1,200円でC社株を調達し、権利を行使して1,000円で売却する必要はないので、権利を放棄します。その場合の損失額はプレミアムとして支払った100円となります。株価がどこまで上がろうとも、権利を放棄してしまえば、損失は100円で済みます。

損益図

(4)プットオプションの売り

プットオプションの売りとは、オプション料(プレミアム)を受取って「原資産を権利行使価格で売る権利」を売ることです。

プットオプションの売り手は、プットオプションの買い手が権利を行使した場合、それに応じる義務があります。この取引のイメージ例は以下のとおりです。


あなたは将来、D社の株価が900円を上回ると予想しています。ところが友人は逆に株価は900円を下回ると予想しています。そこであなたは将来、D社株を1,000円で売る権利をプレミアム100円で友人に売ることにしました。この時点であなたはプレミアム100円を受取ることができます。
予想どおり株価が上昇し1,500円となった場合、友人はわざわざ権利を行使して市場よりも安い価格でD社株を売却しようとは思いません。友人は権利を放棄し、プレミアム100円があなたの利益となります。
反対に株価が600円になったとします。友人は当然、市場から600円でD社株を調達し、今度は権利を行使してD社株を1,000円で売却しようとします。あなたは友人の相手方となって、1,000円で株を買取らなければなりません。友人は600円で手にした株式を権利行使価格1,000円で売却し、プレミアム100円のコストを差引いても300円の利益となります。逆にあなたはD社株を1,000円で友人から買取ることとなり、その時点で市場では600円でしか売却できませんので、400円の損失です。プレミアムとして受取っていた100円を差引いても300円の損失です。

損益図

お取引にあたっての手数料等およびリスクについて

当社の取扱商品等へのご投資には、商品ごとに所定の手数料等をご負担いただく場合があります。(国内株式委託手数料は約定代金に対して最大1.26500%(税込)、ただし、最低2,750円(税込)、ハッスルレートを選択しオンライントレード経由でお取引いただいた場合は、1日の約定代金合計が300万円までなら、取引回数に関係なく国内株式委託手数料が3,300円(税込)、以降、300万円を超えるごとに3,300円(税込)が加算、投資信託の場合は銘柄ごとに設定された購入時手数料および運用管理費用(信託報酬)等の諸経費、等)
また、各商品等には価格の変動等による損失が生じるおそれがあります。商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の上場有価証券等書面または契約締結前交付書面、目論見書、お客さま向け資料等をお読みください。

お取引にあたっての手数料等およびリスクの詳細はこちら 新規ウィンドウで開く