FXを活用した為替ヘッジ術
−為替変動リスクを回避したい方におすすめ−

FXは、それ自体で為替差益(キャピタルゲイン)やスワップポイント(インカムゲイン)の獲得を目指すだけでなく、為替変動リスクの回避、いわゆる「為替ヘッジ」にも役立ちます。ここでは為替ヘッジを活用した取引例をご紹介します。

為替
ヘッジ
とは?
例えば、ある外貨建商品を保有している場合、商品価格の値上がりや利回り・配当等によって得られる利益が、為替変動によってそれ以上の損失を被るリスクがあります。こうした為替変動リスクを通貨取引を利用して回避または軽減させることを為替ヘッジといいます。

取引例① 外国株式

個人投資家Aさんは、米国株式Bの購入を検討しています。
株価は堅調に推移しており、今後も上昇すると予想する一方、為替は円高基調であり、株価が上昇しても為替で損をすることに懸念を抱いています。

株価:上昇 為替:円高 個人投資家Aさん

Aさんは米国株式Bを株価:100米ドル、1米ドル=80円で100株購入すると同時に、FXで株式購入金額と同額分の為替ヘッジを行なうことにしました。

1 米国株式Bの購入金額

⇒ 100米ドル×100株=10,000米ドルを購入
円貨ベース10,000米ドル×80円(為替レート)=80万円

〈ここで同時に為替ヘッジ〉

(1)米国株式Bの購入金額 10,000ドル(80万円) (2)為替ヘッジ(売建取引) 10,000ドル(80万円)

2 為替ヘッジ

⇒ FXで「米ドル/円」80万円分を売建取引
外貨ベース80万円÷80円(為替レート)=10,000米ドルの建玉

半年後…

予想どおり株価は上昇し110米ドルに。
一方、為替も円高に推移し1米ドル=70円に。

米国株式Bの株価 100ドル→110ドル ドルの為替レート 80円 70円

ここで米国株式Bを売却した場合

1で購入した米国株式Bの売却金額

外貨ベース110米ドル×100株=11,000米ドル
⇒ 1,000米ドルの利益

一方で、円貨ベース110米ドル×100株×70円=77万円
⇒ 3万円の損失

(1)米国株式Bの売却金額 外貨ベース 1,000ドル←利益→10,000ドル 円貨ベース 11,000ドル(77万円)←→3万円の損失

そこで、

2で為替ヘッジしていた
「米ドル/円」
10,000米ドルを反対売買
(決済取引)

(80円(売建時の為替レート)-70円(決済時の為替レート))×10,000米ドル=10万円の利益

為替ヘッジを行なった結果、米国株式B売却による3万円の損失を相殺し、7万円の利益を確保。

(2)為替ヘッジの決済取引 10,000ドル←→10万円の利益 10万円ー3万円=7万円の利益 7万円
  • ここで紹介した事例は、米国株式の売買時とFX為替ヘッジの売買時の為替レートの差異によって生じる損益、ならびにFX為替ヘッジによる建玉保有期間のスワップポイント等のコストは考慮しておりません。

取引例② 外貨建債券

個人投資家Cさんには、3ヶ月後に満期を迎える円定期預金(200万円)があり、満期金の運用先に豪ドル建債券Dの購入を検討しています。
しかしCさんは、為替が今後円安に進むと予想しており、円高局面の今購入したいのが正直な気持ちです。

為替:円安 円高の今買いたいなあ。(3ヶ月後には200万円用意できるのに…。) 個人投資家Cさん

そこでCさんは豪ドル建債券Dの購入予定代金(200万円)とは別に20万円を用意し、1豪ドル=80円にてFXで為替ヘッジを行なうことにしました。

為替ヘッジ

⇒ FXで「豪ドル/円」200万円分をレバレッジ10倍で買建取引
外貨ベース20万円×10倍(レバレッジ)÷80円(為替レート)=25,000豪ドルの買建玉

為替ヘッジ(買建取引) 証拠金 20万円 25,000豪ドル(200万円)

3ヶ月後…

円定期預金200万円が満期に。
また、予想どおり為替が円安に推移し1豪ドル=90円に。

定期預金が満期 ○○銀行 200万円 豪ドルの為替レート 80円→90円

ここで豪ドル建債券Dを購入した場合

豪ドル建債券Dを200万円分購入

⇒200万円÷90円(為替レート)≒22,200豪ドル

Cさんの本音

3ヶ月前なら、1豪ドル=80円だったため、25,000豪ドル(200万円÷80円)購入できていたのに。

Cさんの本音 3ヶ月前なら、1豪ドル=80円だったため、25,000豪ドル(200万円÷80円)購入できていたのに。

そこで、

FXで為替ヘッジしていた
「豪ドル/円」
25,000豪ドルを反対売買
(決済取引)

(90円(決済時の為替レート)-80円(買建時の為替レート))×25,000豪ドル=25万円の利益

この25万円の利益で豪ドル建債券Dを追加買付
25万円÷90円≒2,800豪ドル

為替ヘッジを行なった結果、既に買付済みの22,200豪ドルとあわせて25,000豪ドルの購入に成功。

豪ドル建債券Dを購入 現在の購入金額 22,200豪ドル 3ヶ月前だったら… 25,000豪ドル
  • ここで紹介した事例は、豪ドル建債券の買付時とFX為替ヘッジの決済時の為替レートの差異によって生じる損益、ならびにFX為替ヘッジによる建玉保有期間のスワップポイント等のコストは考慮しておりません。

FXで為替ヘッジするメリット・注意点

メリット

  • 1
    割安なコスト

    FXは一般的な外貨商品に比べ、スプレッド(買値と売値の幅)が比較的狭く設定されていますので、為替ヘッジコストが割安です。

  • 2
    原則、24時間取引可能

    24時間リアルタイムで取引いただけますので、期間や時間を気にすることなくいつでも取引できます。

  • 3
    買いからだけでなく“売り”からも取引が可能

    FXは売りからも取引できるため、円安傾向の時のみならず円高傾向の時においても、為替ヘッジをすることができます。

  • 4
    レバレッジにより少ないコストで大きな取引が可能

    レバレッジをかけて取引すれば、証拠金の何倍ものお取引ができるため、為替ヘッジする金額をそのまま用意する必要がなくなります。例えば、レバレッジ10倍で取引すれば、10分の1の金額で為替ヘッジをすることができます。

注意点

スワップポイントの支払いが発生する場合があります。

スワップポイントは、通貨ペアの金利差調整額であるため、金利の高い国の通貨を売って金利の低い国の通貨を買った場合は、スワップポイントを支払うことになります。

為替が大きく動いた場合にロスカットされることがあります。

証拠金維持率が低下し、お客さまが設定したロスカット水準を割り込むとロスカットが適用されます。証拠金維持率は、建玉を保有するのに必要な証拠金額に占める評価損益等を含めた受入証拠金額の割合です。ロスカットを回避するためには、証拠金維持率をしっかりと管理することが大切になりますので、証拠金維持率は日々チェックするように心がけましょう。

お取引にあたっての手数料等およびリスクについて

  • 「ダイワ365FX」の取引手数料は、無料です。ただし、売気配と買気配には、差額であるスプレッドがあります。
  • 「ダイワFX」の取引手数料は、無料です。ただし、当社が提示するBid(売値)とAsk(買値)には、差額であるスプレッドがあります。
  • 「ダイワ365FX」、「ダイワFX」を行なうには、証拠金を預託いただく必要があります。必要な証拠金は、当社が定める計算式によって算出されます。また、必要な証拠金は、通貨ペア(通貨の組合せ)やその通貨の価格によって変化しますので、本取引額の証拠金に対する比率は、常に一定ではありません。
  • 「ダイワ365FX」、「ダイワFX」では、一定の証拠金を担保に、その証拠金以上の取引ができます。この時の証拠金に対する取引額の倍率を「レバレッジ」と呼び、「ダイワ365FX」、「ダイワFX」における最大レバレッジである25倍を選択された場合、必要な証拠金の目安は取引額に証拠金率4%を乗じることにより算出されます。したがって、お客さまに預託いただいた証拠金を上回る取引を行なうことができるため、証拠金を上回る損失が生じるおそれがあります。
  • 「ダイワ365FX」、「ダイワFX」は、取引対象である通貨の価格変動により取引価格が変動します。また、取引対象である通貨の金利変動により金利差相当額(スワップポイント)が受取りから支払いに転じることもあります。通貨の需給の偏りにより、スワップポイントが金利差を反映せず、買付けた通貨の対象国の金利が売付けた通貨の対象国の金利よりも高い場合にもスワップポイントを支払うことになる場合があります。したがって、元本や利益を保証するものではなく、損失が発生することがあります。

その他ご留意事項

  • [ダイワ365FX]お取引に際しては、必ず「ダイワ365FX」に係るご注意、契約締結前交付書面、口座設定約諾書、お客さま向け資料の内容をよくお読みください。
  • [ダイワFX]お取引に際しては、必ず「ダイワFX」の契約締結前交付書面等、お客さま向け資料の内容をよくお読みください。