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生前贈与Q&A
贈与税の基礎控除を利用して、非課税にて資産移転を行うことができる
生前に贈与をすることで将来の相続財産を減らし、相続税を抑えることが可能になります。
その主たる方法は贈与税の基礎控除の利用で、年間110万円までは非課税で財産を移転することができます。
一般に、贈与税の税率は相続税の税率よりも高いのですが、贈与税の基礎控除は相続税の基礎控除とは異なり、毎年適用されるため、長い年数にわたって行うことで、相応の資産移転を非課税で行うことができます。
受贈者1人あたり年間110万円の贈与税非課税枠のこと
贈与税は1~12月の1年間に贈与を受けた金額のうち、110万円までは基礎控除として非課税となります。誰から贈与されたかではなく、受贈した人ごとに課税される点に注意が必要です。
例えば、祖父から50万円、母親から80万円の贈与を受けた場合、合計額の130万円に対して贈与税の対象になります。ここから基礎控除の110万円を差し引いた金額に贈与税が課税されます。贈与した人ごとに基礎控除がそれぞれあるわけではありません。
なお、この贈与は金銭だけでなく、土地等の不動産についての持分贈与についても適用できますが、不動産贈与には登記費用や不動産取得税などの諸費用がかかる点には注意が必要です。
居住用不動産もしくはその購入資金の贈与には2,000万円の控除が適用できる
配偶者に居住用不動産(資金)を贈与する場合、贈与税の申告書を提出することにより2,000万円まで配偶者控除が受けられます。適用要件は次のとおりです。
- 婚姻期間が20年以上の夫婦間であること
- 贈与財産が居住用不動産、または居住用不動産を取得するための金銭であること
- 贈与された配偶者が翌年3月15日までにその不動産に住んでいること
- 同じ配偶者から過去にこの特例を受けていないこと(一度しか適用できない)
贈与時の時価で算定する
有価証券や不動産といった「時価」のあるものは、「贈与時の時価」で評価し、贈与税を計算します。
なお、相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の課税価格に算入しますが、その時の評価も「贈与時の時価」になります。
契約や記帳で記録を残すことや、受贈者が自由に財産を使用できる状態にすること
贈与はあげる側がしっかりした判断のもとに行い、それをもらう側が承諾し自由にその財産を使用できることが前提条件となるため、贈与したことが第三者にも判断できるようにしておくことが大切です。
例えば、親が子どもの預金口座に毎年振り込みにて贈与を続けていたとしても、受贈者側の子どもがその事実を知らなかったり、子どもが通帳や印鑑を自身で所持して自由に使える状態になかったりするような場合には、贈与行為そのものがなかったものとみなされ、相続財産の圧縮が図れないことにつながります。
年間110万円を超える受贈、配偶者控除を適用した受贈の場合には、贈与税の申告が必要
年間110万円超の贈与や贈与税の配偶者控除、住宅取得資金の非課税による贈与等の場合には、贈与を受けた翌年の3月15日までに贈与税の申告をする必要があります。
なお、扶養義務者からの生活費や教育費のための贈与財産、社交上必要と認められる祝い金や香典等、離婚に際しての財産分与等には贈与税がかかりませんので、申告は不要です。
相続開始前7年以内に贈与された財産は、原則相続財産とみなされる
相続開始前7年以内に贈与された財産は、相続税の課税価格に算入します。
なお、この持ち戻しは2024年1月1日以降の贈与財産に関する相続税から適用されるため、2031年に発生した相続から7年間持ち戻されるようになります。ただし、相続開始前3年超7年以内に受けた贈与財産のうち、総額100万円までは相続財産に加算されません。
また、相続が開始される前に贈与を受けたが、その年に相続が発生した(例えば、4月に贈与を受けたが10月に相続が発生した)場合、贈与された財産は贈与税の申告をする必要はなく、相続財産に加算します。
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