近年は人生100年時代といわれるほど、平均寿命が延びています。また、少子高齢化が進んでいる日本では1人の高齢者を支える現役世代の人数が減少しており、2065年には65歳以上の高齢者を現役世代1.3人で支える社会になると予想されています。
老後の生活を賄う年金の額に不安が残るため、現役世代のころから資産運用をするのが望ましいですが、30代や40代の方は「ライフイベントに適した資産運用を考える」という行為を難しいと捉えがちです。
本記事では、30代から40代の方が資産運用を考える際に最も大切なポイントについて解説します。
資産運用を実践する際に重要なのは、「どのお金をどのタイミングで、どのように使うのか」という目的を明確にして分類することです。目的と時期を明確にすることで、資産運用の計画を構築しやすくなります。
まずは、自分の貯金や収入などをあらためて確認し、自身の資産全体を把握・整理しましょう。その資産を、使う目的や時期によって次の3つに分類し、色分けします。
<資産運用を考える際の「3つの色分け」>
それぞれ、どのようなお金なのか詳しく解説していきます。
「生活に必要な当座のお金」とは生活防衛資金のことで、「何かあった場合の当座のお金」、つまり「そなえるお金」となります。
たとえば、食費や家賃、通信費といった月々発生する生活費や、家族が突然の怪我や病気などに遭って治療代が必要になった場合のお金などが該当します。
そなえるお金は、株式や債券といった金融商品ではなく、いつでも引き出せて金額の変動がない預貯金にしておくとよいでしょう。
なお、そなえるお金は月々の生活費の3ヵ月~1年分が目安となります。毎月30万円で生活している家庭なら、90万円~360万円ほど確保しておくと安心です。
さらに、生活費とは別に、急な冠婚葬祭や医療費・介護費用を賄う資金を用意しておけば、より安心して生活を送ることができます。
将来使うことが予想できる、あるいは使う目的や時期が明確なライフイベントに支払うお金は、「将来使う予定のあるお金(まもるお金)」に分類されます。
ライフイベントとは文字通り人生での出来事のことで、子どもを持つ家庭ならその成長とともに小学校、中学校、高校、大学への進学という出来事が発生します。あるいは自宅や車の購入、老後の過ごし方など、時間経過とともにさまざまな出来事が発生しますが、これらの出来事はある程度の予想を立てることができます。
つまり、まもるお金とは使う目的や時期が明確な子どもの教育資金、マイホーム・車などの購入資金、老後の生活資金などが該当します。これらのお金は必要なときに準備できておかなければならないため、まもるお金となります。
まもるお金の資産運用は、使う時期がいつなのかに応じて変化します。たとえば、生まれたばかりの子どもを私立高校に通わせるためのまもるお金を運用するなら、使う時期は15年後であり、まだ十分な時間があることから、時間をかけてしっかりと育てられる運用商品を選ぶとよいでしょう。
一方、高校に入学したばかりの子どもを私立大学に通わせるためのまもるお金を運用する場合は、使う時期が3年後と、運用期間が十分に確保されていないことから、安定的な値動きが期待できる運用商品を選ぶとよいでしょう。
保有している資産や収入から「そなえるお金」や「まもるお金」に充当する分を差し引いた残りのお金が「当面使う予定のないお金」に該当します。このお金は「のこすお金」とそれ以外の「ふやすお金」に分類できます。
のこすお金は文字通り、自分の子どもや孫にのこすお金になります。そなえるお金やまもるお金の運用計画に目途が立つと、次には家族の幸福を考えたいものです。年代によって目的は変わりますが、子どもの結婚や住宅購入の際に援助するお金や、自分に万一のことがあった際に家族に苦労をかけないためのお金などが該当します。
子どもの結婚する時期はある程度予測がつくため、その時期に応じて、どの程度リスクを取るべきか考えて運用するのがよいでしょう。一方、自分に万一のことがあって相続が発生する時期についてはいつになるのか誰にも分からないため、生命保険を活用する例が多いです。
最後に、ふやすお金は、当面使う予定のないお金からのこすお金を差し引いたものが該当します。「そなえるお金」「まもるお金」「のこすお金」のいずれにも該当しない余裕資金であるため、ほかの資産に比べて自由度の高いお金といえます。時間に縛られることもないため、積極的な運用が可能な資産といえるでしょう。
このように、資産運用をする際に、資産を使う目的と時期で色分けするのは自分や家族の人生を守るためです。資産運用は必ず成功するとは限りません。どんなに気を付けていてもリスクが生じます。
資産の色分けをせずに闇雲に運用をおこなってしまうと、生活に必要な資金まで資産運用に回してしまい急な出費の際に困ったり、リーマンショックや今回の新型コロナウイルスなど、想定外の出来事が起こって将来必要になる予定のお金が用意できずに、子どもを望む学校へ行かせてあげられない、あるいはマイホームや車などの大きな買い物ができないといった人生計画に支障が生じる可能性も考えられます。
自身が持つ資産を色分けし、そなえるお金やまもるお金のように使う目的と時期を明確にしておけば、取るべきリスクを把握でき、適切な資産運用をおこなうことが可能となります。目的や時期に合わせて取るべきリスクを決めてから運用先を選ぶことは、資産を形成するコツのひとつといえるでしょう。
使う目的と時期に応じて自分の資産を色分けし、取るべきリスクを把握できたら、次はそれらに合わせて実際の資産運用の組み合わせや運用比率(ポートフォリオ)を考える必要があります。
しかし、投資を始めたばかりの方やこれから資産運用を考えている方が、使う目的や時期に適したポートフォリオを自分で組み立てるのは難しい作業ともいえます。
たとえば、「1年後に使う予定の資金」と「10年後に使う予定の資金」の運用について考えてみましょう。
「1年後に使う予定の資金」は期間が短いため比較的イメージがしやすいです。しかし、使うまでの時間に余裕がある「10年後に使う予定の資金」はリスクを取った運用を選ぶこともできますが、いざ投資をおこなう際には、具体的にどれだけのリスクで運用すればいいのか悩みがちです。
株式への投資比率を小さくし、債券への投資比率を大きくすれば、利益は小さいがブレ幅も小さい安定的な運用をおこなうことができます。一方、株式への投資比率を大きくし、債券への投資比率を小さくすれば、大きな利益が狙える一方でブレ幅は大きくなります。このバランスをどの程度で調整すればよいのか、また、株式や債券の運用先をどこにすればよいのかなどを決めるには専門的な知識が必要です。
このように、お金を色分けして実際に資産運用を始めてみようとすると、ある程度の知識や手間が必要となるため、特に投資初心者の方は難しく感じて資産運用をためらってしまうかもしれません。そこで、色分けした資産の運用先の検討にあたっては、今話題のロボアドバイザーを活用することをおすすめしたいと思います。
たとえば、大和証券のロボアドバイザー「ダイワファンドラップオンライン」では、最先端のテクノロジーと金融工学に基づき、ロボアドバイザーが色分けしたお金の目的や時期に合った最適な運用プランを無料で提案してくれます。
運用にあたっては、株式・債券・REITへの国際分散投資をおこなうため、安定的なリターンとリスク低減の効果が期待できます。また、運用開始後のポートフォリオの管理も自動化されているため、「手間ゼロ」での投資が可能となります。
さらに、定期積立サービスを利用すれば、月々1万円から申し込めるなど、始めやすさも魅力のひとつとなっています。
<運用プランのイメージ>
資産運用を検討する際には、まず自分の資産全体を把握し、お金を使う目的や時期に合わせて色分けをしてみましょう。色分けは「そなえるお金」「まもるお金」「のこすお金・ふやすお金」の3つに分けられます。
色分けをすることで、当座の生活に必要なお金や、今後のために用意しておきたいお金の認識に役立つほか、家族の将来について改めて見つめ直す貴重な機会となるでしょう。また、色分けした資産ごとに、その資金の性格に合ったリスク水準の運用先を検討しましょう。
しかし、投資初心者の方は、色分けした資産についてどのようなポートフォリオで運用すれば良いのか分からずお悩みになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ダイワファンドラップオンラインなら、ロボアドバイザーによる資産運用のご提案からメンテナンスまでが自動化されており、専門的知識がない方でも株式・債券・REITへの国際分散投資が可能です。まずは月々1万円から、ダイワファンドラップオンラインで投資の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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大学卒業後、証券会社の本社で社長室、証券業務部、企画グループで5年半勤務。その後FPとして独立。金融リテラシーが低く、資産運用に保守的と言われる日本人のお金に対する知識向上に寄与すべく、相談業務やセミナー、執筆等を行っている。日本証券業協会主催「投資の日」イベントや金融庁主催シンポジウムで講師等を担当。2018年に日本人の金融リテラシー向上のためのFPの役割について探求した論文を執筆。
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