6つのカテゴリーに整理した、人生100年時代のお金の誤算※1、4つ目の「介護」でランクインしたのは、「介護費用の負担が重い(第1位)」と「認知症問題(第8位)」。実は介護が必要になる原因で一番多いのが認知症。この問題を自分事として考えたくない、だから備えを怠ってしまい、いざ、介護となると「介護費用の負担が重い」と感じる、そんな悪循環なのだと思います。
だからまずは、前回、前々回のコラム※2でも確認したように、介護は誰にでもやってくる可能性があるものだと、そんなふうに考えるのが第一歩だと思います。そして、子どもも巣立って家も買っちゃったし、老後資金の準備も万全だからもう老後は何も心配ないと、そういうふうにはならない、ということですね。
現役世代の3大支出 vs 高齢世代の3大支出
現役世代の頃は、人生の3大支出、子どもの教育費と住宅費、そして、老後資金の準備が必要とさかんに言われていますが、言ってみれば、高齢世代になっても、ある意味、3大支出はついて回るのだと思います。具体的には、左下に整理しているように、まずは介護費用、そして住宅関連でもリフォームや住み替え等にお金がかかるのです。
また、かつて「老後資金2000万円問題」で話題になった報告書には、こんなコメントも書かれていました。
「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる。支出については、特別な支出(例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など)を含んでいないことに留意が必要である」
つまり、高齢世代の3大支出のうちの2つ、介護や住宅リフォームのお金は、老後資金2000万円の試算には含まれていない、と書かれているのです。そして、見込んでいない支出があるのであれば、老後資金のやりくりも大変になるのです。
以上は理由はどうあれ、介護費用を見込んでいないわけですから、その負担が重いと感じるのは、致し方ないと言えるかもしれません(苦笑)。では、そこから一歩踏み出してみましょうか。つまり、介護費用がどれくらいかかるのか、次回以降のコラムで確認したいと思います。
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2024/6/7作成
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