ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.309(2024年6月7日)介護を自分事として考える①/骨折・転倒は曲者!?

6つのカテゴリーに整理した、人生100年時代のお金の誤算※1、4つ目の「介護」についてお話ししましょう。ランクインしたのは、「介護費用の負担が重い(第1位)」と「認知症問題(第8位)」ですが、実は介護が必要になる原因で一番多いのが認知症。この問題を自分事として考えたくない、だから備えを怠ってしまい、いざ、介護となると「介護費用の負担が重い」と感じる、そんな悪循環なのだと思います。

介護が必要になった原因は?※2

介護が必要になった原因は?※2

この悪循環を断ち切るためにはどうすればいいのか?まずは介護や認知症のことを自分事として考える、これが第一歩だと思います。今回から2回に渡り、介護について客観的なデータをいくつかご紹介しますので、皆さんが介護のことを自分事として考える、そんなきっかけになれば幸いです。

まずは介護の実態と言いますか、要介護や要支援に認定されている人の数、年々、右肩上がりで増えていることがわかるかと思います。これは日本人が長生きするようになっていることの裏返しでもあるのですが、でも、こんなふうに増えているのであれば、「認知症問題」を誤算とは考えずに、いつかは自分も介護に関わることになるかもしれない、そんなふうに考えていただければと思います。

要介護・要支援認定者数の推移※3

要介護・要支援認定者数の推移※

最後に一つ、認知症がきっかけになる介護が多いわけですが、原因の2位や3位で目に付く「骨折・転倒」も曲者です。骨折で入院後、生活環境の変化をきっかけに認知症を発症するケースが多いのです(実は私の義父と実母がそのパターン…)。高齢者の転倒には、くれぐれもお気をつけくださいませ。

  • ※1 出所:「何でもランキング 人生100年時代、お金の誤算」、『日本経済新聞』、2021年7月3日、朝刊、NIKKEIプラス1、1-2面
  • ※2 出所:厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査の概況」
  • ※3 出所:厚生労働省「令和2年度 介護保険事業状況報告(年報)」

大和証券
2024/5/24作成

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