ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.252(2023年5月5日)iDeCo掛金、年代別で比較すると見えてくる加入者の想い

iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の掛金、ざっくり言えば、職業別に限度額が決まっています。ですので、掛金の平均額と言えば、大抵、職業別にこれくらいですよ、こんな話しが多いですね。でも、気になるのは、やはり同年代がどれくらい積み立てているのか。セミナーでもこの手のご質問をよく受けますので、年代別に掛金平均を調べてみました。

年代別 iDeCo掛金平均の比較※1

年代別 iDeCo掛金平均の比較※1

年齢とともに掛金を増やしている様子がわかりますね。20代や30代、無理のない金額で老後資金準備をはじめています。そして、40代や50代、色々なライフイベントにお金が一番かかる時期でも、しっかり積み増しているのです。最後の60代はラストスパート、更に掛金を増やしていますね!

でも逆に、若いうちは掛金拠出の枠が余っていることもわかります。こんなふうにiDeCo掛金を年代別に眺めると、月単位や年単位で一律に枠を管理するのではなく、生涯拠出枠やキャッチアップ拠出という考え方で、所得や生活に応じて柔軟に積み立てられるようにする、そんな制度改革が老後に向けた資産形成を後押しするようにも思います。

ところで、「60代のiDeCo加入者って、たしか、月5万円くらいの掛金を積み立てているんじゃなかったっけ?」、そんな疑問を感じた方は、このコラムをよく読んでいただいている方ですね(笑)。まずは感謝を申し上げるとともに、少しだけ説明を加えさせていただきます。

60代のiDeCo加入者には、4号加入者と言われる国民年金に任意加入している方(掛金平均は月50,102円※1、以下同じ)の他、一般企業にお勤めの方(月19,734円)と公務員の方(月11,935円)がいます。加入者自体は後二者が多いので、60代の掛金平均は約2万円になるのです。

なお、どの職業でも年齢とともにiDeCo掛金を増やしている様子が確認できますが、唯一の例外が公務員の皆さま。40代で月10,891円、50代で月11,395円、60代だと月11,935円と月額上限1.2万円に早々に到達しているのです※1。「早く、iDeCoの限度額を引き上げてくれ!」と、悲鳴にも似た想いが伝わってくるデータだと思います。ちなみに2024年12月には、公務員のiDeCo限度額が実質的に2万円に引き上げられる予定です。こんな話し※2も、なるべく多くの公務員の皆さまにお伝えしたいですね。ご参考まで。

大和証券
2022/11/11作成

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