iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の拠出限度額が変更になった2024年12月、iDeCo加入者が急増しました。月間の新規加入者数は72,168人、これはiDeCoという制度が開始された2002年以降で一番多い、つまり、過去最高の水準になります。そこで今回は、2024年12月のiDeCo加入状況を一緒に確認してみたいと思います。
それでは早速、iDeCo加入者を職業別に2024年11月と比較してみましょうか。以下、ご確認ください。
職業別のiDeCo加入状況※
いかがでしょうか?一目瞭然ではありますが、会社員や公務員の皆さまでiDeCo利用者が急増している、そんな様子が見てとれますね。中でも増加率が大きいのが、企業年金に加入している会社員と公務員ですが、2024年12月からiDeCo掛金の上限が月2万円にアップしたから、これが理由の一つとして考えられますね。
そして、興味深いのは増加数が一番多い、企業年金に未加入の会社員。iDeCo掛金の上限は月2.3万円のままなのに加入者が急増しているのは、2024年12月からiDeCo加入手続きが変更されたから。具体的には、iDeCo加入に際して、お勤め先に事業主証明書なる書類を発行してもらう必要がなくなったからでしょう。これは企業年金に加入している会社員も公務員も同じですので、手続き簡素化と一部掛金の上限アップが相まって、お勤めの方のiDeCo加入者が急増した、これが実態なのだと思います。
ところで、iDeCo制度開始以来の加入者数推移※を振り返ってみると、冒頭で申し上げたとおり、過去イチは2024年12月(72,168人)ですが、第2位は年初に加入対象者が拡大された2017年4月(59,918人)、第3位は60歳以降もiDeCoで積立ができるようになった2022年6月(55,810人)になります。第2、3位は、言わば、iDeCo対象者が拡大されて利用者も増えたわけですが、今回は対象者自体が拡大されたわけではないのに利用者が増えているのです。ですので、iDeCo加入者急増は一過性のものではなく、トレンドとしてこれからも続くかもしれない、そんなふうに思います。
大和証券
2025/2/14作成
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