在職老齢年金制度とは、働きながら年金を受け取ると年金が減る、という制度のこと。人生100年、長く働くのが当り前の時代ですので、在職老齢年金は、時代に逆行している制度だとも言われています。
そして、今、公的年金の制度改正議論の中でも、働き方に中立的な制度を目指すという観点から、在職老齢年金の改正が一つの方向性として示されています。50代、60代向けのライフプランセミナーでも、最近、ご質問の多い、そんなテーマでもあります。そこで今回は、在職老齢年金とはどんな制度なのか、一緒に確認してみましょう。
在職老齢年金制度とは?
まずは在職老齢年金の対象者、「厚生年金の被保険者で、厚生年金を受け取っている人」とありますが、ここで大事なのは、在職老齢年金の対象は厚生年金であって、国民年金は対象外ってことです。つまり、どれだけ働いても国民年金が減ることはないってことですね。
そして、次にどれくらい年金が減るのか?ざっくり言えば、年収を12で割った金額と厚生年金の月額を足して、支給停止調整額の50万円以上になったら、超えた分の半分だけ年金が減るってことです。例えば、この金額が52万円になったら、50万円を超えているのは2万円ですから、その半分の1万円、厚生年金が減るっていうイメージですね。
もう少し具体的に確認してみましょうか。例えば、年収300万円で働いているとすると、その1/12は25万円。そして、厚生年金の月額を、厚生労働省が発表している令和6年度の年金額から試算すると約9万円※。25万円+9万円=34万円ですので、50万円よりも少なくなりますね。つまり、年収300万円で働きながら、標準的な厚生年金を受け取っている人だと、年金は減らないことになるのです。
逆にどんな人の年金が減るのでしょうか?例えば、標準的な厚生年金を前提として、令和6年度の支給停止調整額50万円から逆算すると、年収が500万円程度になります。言ってみれば、現役世代並みに働くと年金が減る、そんなイメージですね。ご参考まで。
大和証券
2024/11/8作成
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