ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.330(2024年11月1日)貯蓄から投資へ/①いつから言われているの?

2024年上期の日経MJヒット商品番付、東の横綱は「新NISA」でした。「NISAは“商品”じゃなくて、“制度”なんですけど……」なんて、細かい話しは別にして(苦笑)、今やどこもかしこも新NISA、新NISAと、とにかく新NISA流行りの世の中なんだと感じます。

一方、新NISA批判を耳にすることもあります。皆さんも以下のような批判、見聞きしたことがあるのではないでしょうか?

「国はかつて、年金は100年安心と言いながら、コロナ禍前には、老後は2000万円必要だと言い出した。そして今度は、“貯蓄から投資へ”、国民は新NISAで自助努力が必要だと言い出した」

こんな批判が出てくることも、ある意味、健全な世の中なのだと感じますが、「国が言っていることを真に受けると痛い目に遭う」、そんな思いで批判されているんでしょうね。

でも、そもそもの話しになりますが、国は今になって急に「貯蓄から投資へ」と言っているわけではありません(下スライド)。

「貯蓄から投資へ」、国のスローガンを振り返ると……

「貯蓄から投資へ」、国のスローガンを振り返ると……

振り返ってみれば、ターニングポイントは27年前、橋本内閣の金融システム改革プラン、いわゆる、金融ビッグバンから始まったのではないかと思います。ここで打ち出されたのが金融の自由化、特にその当時、証券会社に勤めていた者として今でも覚えているのは、株式手数料が自由化されたってことですね。

少し横道にそれてしまいましたが、「貯蓄から投資へ」という国のスローガンが、この世にはじめて出てきたのは、2001年6月、小泉内閣の頃の骨太の方針でした。ですから、言ってみれば、国が「貯蓄から投資へ」と言っているのは、今に始まったことではなく、20年以上、言い続けていることなのです。

でも国民は、国の言っていることを最初から真に受けたわけではない、つまり、「貯蓄から投資へ」がなかなか流行らなかった、というのが実態だと思います。では、なぜ、「貯蓄から投資へ」がなかなか流行らなかったのか?次回以降、その理由を探りながら、今回も含めて5回シリーズのコラムでは、なぜ、今、「貯蓄から投資へ」なのかを考えてみたいと思います。

  • ※出所:日本経済新聞「〈24年上期ヒット商品番付〉物価高・節約志向映す」(2024/6/5)

大和証券
2024/10/4作成

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