ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.304(2024年5月3日)老後になっても、なぜ、住居費が嵩むのか?

6つのカテゴリーに整理した、人生100年時代のお金の誤算※1、今回はその3つ目、これからの住まいの誤算として挙げられていた「住居費が嵩む(第3位)」についてです。

なぜ、住居費が嵩むと感じるのか?それは老後の住まいに関して、2つの罠があるからだと思います。まずは一つ目、統計の罠をご説明しましょう。

さて、50代や60代になると持家の人が多くなりますよね。だからだと思うのですが、例えば、以下の図表、夫婦高齢無職世帯の家計収支、要は、お仕事を引退した後の家計のやりくりを示しているわけですが、その支出のうち、住居費は6.6%、金額にすると1万5千円程度なんですね。

夫婦高齢者無職世帯の家計収支(2022年)※2

夫婦高齢者無職世帯の家計収支(2022年)※2

でも、どうでしょうか?賃貸だと、さすがに家賃が月1万5千円ってことはないですよね。ですから、賃貸の方は、この家計収支の住居費に比べると、「なぜ、我が家はこんなに住居費がかさんでいるんだろう?」とお感じになるのだと思います。

そして、もう一つが持家の罠。持家だからと言って、お金がかからないわけではなく、マンションであれば管理費や修繕積立金、戸建てでも自宅の修繕に備えた貯えも必要です。さらには、これからの暮らし方に応じて、様々な選択肢があることも理解する必要があるでしょう。

リタイア後の住まいの選択肢※3

リタイア後の住まいの選択肢

ご覧いただいているような選択肢があることをご理解いただいた上で、それぞれ、どれくらいのお金がかかるのか、これからの住まいの相場観を自分事して確認しておくことが大切だと思います。ご参考まで。

  • ※1 出所:「何でもランキング 人生100年時代、お金の誤算」、『日本経済新聞』、2021年7月3日、朝刊、NIKKEIプラス1、1-2面
  • ※2 出所:総務省「家計調査 2022年平均」
  • ※3 出所:日本FP協会「今からはじめるリタイアメントプランニング」を参考に筆者が作成

大和証券
2024/4/19作成

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