ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.260(2023年6月30日)最近、複利のことを「微差が大差」と説明する理由わけ

複利とは、利子にも利子がつくこと。最近、この複利のことを「微差が大差」と説明しています。でも、いきなりそんなことを言われてもチンプンカンプンですよね(苦笑)。ですから、目で見て複利の特徴をイメージしてもらう、そのためにいつもセミナー等で使っているグラフからご紹介しましょう。

一定期間、一定利率で、元本100を複利運用すると…

一定期間、一定利率で、元本100を複利運用すると…

まずわかるのは、複利の効果っていうのは、時間が経つにつれてだんだん大きくなるってこと。これが複利の特徴の一つですね。そして、もう1つ、複利の効果は、最初はほとんど差がないこともわかります。グラフの左端、複利運用を始めたばかり頃は、どの利率でもほとんど差はないですよね。これが複利の2つ目の特徴です。つまり、複利の効果は、短期的にはそれほど大きなものではない(=微差)けど、長期的には大きなものになる(=大差)、一言で言って、「微差が大差」だと、そんなふうに説明しているのです。

この「微差が大差」ですが、私がこの言葉に出会ったのは、実は約10年前、日経新聞のスポーツ面、野球評論家の豊田泰光さんのコラムでした。以下、その抜粋になります。

「微差が大差」の人生観

コーチとして長く“番頭役”を務め、晴れて監督にーー。オリックス・森脇浩司新監督が(中略)「週刊ベースボール」に語った抱負の一節に、施政方針が端的に表れていた。

「僕は微差が大差だと思っている。その日だけで見ればほんのわずかなことで、取り上げるまでもないちょっとしたことでも、それらが積み重なれば大差になる」(中略)

今期最下位となったオリックス。(中略)選手たちが「微差が大差」など、たたき上げならではの人生観を学ぶのは間違いない。

この言葉、10年も温めていたのは理由があります。その後のオリックス、2014年を除いて万年Bクラスでしたが、2021年にリーグ優勝、そして2022年、ついに日本一に輝いたのです。この軌跡がまさに複利のグラフに似ていると、そんなふうに紹介しています。たまたまかもしれませんが、複利とは「微差が大差」と、皆さんの印象に残ればいいなぁ〜と思ってます。

  • ※ 出所:豊田泰光「チェンジアップ」、日本経済新聞、2012年11月29日、朝刊

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2023/1/13作成

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