ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.255(2023年5月26日)株価が急落した瞬間に買うと必ず儲かるんじゃないですか?

先日、金融リテラシーやライフプランのこと、大学1年生に向けて講義する機会がありました。参加者は100名超、そんな学生の熱気に応えようと、講師の私も一生懸命(汗!)、3時間超の講義もあっという間に終わりました。

あっという間だったのは講義だけでなく、会社に戻ったときには、担当教官からお礼と学生からの感想等がメールで届いていました(驚)。その中に混じっていた、学生の質問の一つが、今回のコラムタイトル。素朴な疑問ですが、ある意味、深い問いでもありますね。以下、私の回答をご紹介しましょう。

  • Q:
    質問なのですが、一度株価が急激に下落した瞬間に投資したら必ず利益を得られるのではないのかと思うのですが、どうなのでしょうか。
  • A:

    鋭いご指摘ですね。おっしゃる通りです。今日の講義では、色々な法則の話しをさせていただきましたが、もう1つ、大原則っぽいことを申し上げさせていただくと、投資の要諦とは「安く買って、高く売る」ということだからです。でも、これこそが「言うは易し、行うは難し」の典型でもあります。というのも、実際に自分のお金で投資をするとき、どんな心持ちになるのかを想像してみて下さい。例えば、株価が急落したとき、人はどんなことを思うでしょうか。ここが投資のチャンスだと思えば、その瞬間に投資をすればいいと思います。でも得てして、人は株価が急落したとき、もっともっと下がるんじゃないかと怖くて手を出せないのです。逆に株式を持っていたとしたら、「もっと下がる前に売らなきゃ」と売り急いでしまうものなのです。さらに逆のことを考えてみましょうか。株価が急騰しているとき、大抵の人は「これからも、もっともっと上がる、乗り遅れないように、今からでも買わなきゃ」と買ってしまいがちです。

    この株価が急落したときと急騰したときの行動を、少し冷静に振り返ってみて下さい。実はこの人、株価が下落したとき、つまり、安くなったときになかなか買えない、むしろ、売ってしまっているのです。そして、株価が急騰したとき、つまり、高くなったときに思わず買ってしまうのです。でも、これって、先ほど確認した「安く買って、高く売る」、そんな投資の大原則の正反対をやっていることになりますよね。これでは残念ながら、投資で儲かることはありません…(苦笑)。

    ご質問された方へのアドバイスとしては、まずは少額でいいので、ご自身のお金で実際の投資をしてみて下さい。そして、「安いのに買えない…」とか「高いのに買っちゃった…」みたいな苦々しい思いを、若いうちに経験してみるのがいいでしょう。そんな経験を踏まえて、これから、どういうふうに考えればいいのか、改めて、ご質問いただければと思います。そのときは、とっておきの知恵、金融リテラシーをお伝えしたい、なんて思ってます(笑)。

大和証券
2022/12/2作成

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