先日、金融リテラシーやライフプランのこと、大学1年生に向けて講義する機会がありました。参加者は100名超、そんな学生の熱気に応えようと、講師の私も一生懸命(汗!)、3時間超の講義もあっという間に終わりました。
あっという間だったのは講義だけでなく、会社に戻ったときには、担当教官からお礼と学生からの感想等がメールで届いていました(驚)。その中に混じっていた、学生の質問の一つが、今回のコラムタイトル。素朴な疑問ですが、ある意味、深い問いでもありますね。以下、私の回答をご紹介しましょう。
鋭いご指摘ですね。おっしゃる通りです。今日の講義では、色々な法則の話しをさせていただきましたが、もう1つ、大原則っぽいことを申し上げさせていただくと、投資の要諦とは「安く買って、高く売る」ということだからです。でも、これこそが「言うは易し、行うは難し」の典型でもあります。というのも、実際に自分のお金で投資をするとき、どんな心持ちになるのかを想像してみて下さい。例えば、株価が急落したとき、人はどんなことを思うでしょうか。ここが投資のチャンスだと思えば、その瞬間に投資をすればいいと思います。でも得てして、人は株価が急落したとき、もっともっと下がるんじゃないかと怖くて手を出せないのです。逆に株式を持っていたとしたら、「もっと下がる前に売らなきゃ」と売り急いでしまうものなのです。さらに逆のことを考えてみましょうか。株価が急騰しているとき、大抵の人は「これからも、もっともっと上がる、乗り遅れないように、今からでも買わなきゃ」と買ってしまいがちです。
この株価が急落したときと急騰したときの行動を、少し冷静に振り返ってみて下さい。実はこの人、株価が下落したとき、つまり、安くなったときになかなか買えない、むしろ、売ってしまっているのです。そして、株価が急騰したとき、つまり、高くなったときに思わず買ってしまうのです。でも、これって、先ほど確認した「安く買って、高く売る」、そんな投資の大原則の正反対をやっていることになりますよね。これでは残念ながら、投資で儲かることはありません…(苦笑)。
ご質問された方へのアドバイスとしては、まずは少額でいいので、ご自身のお金で実際の投資をしてみて下さい。そして、「安いのに買えない…」とか「高いのに買っちゃった…」みたいな苦々しい思いを、若いうちに経験してみるのがいいでしょう。そんな経験を踏まえて、これから、どういうふうに考えればいいのか、改めて、ご質問いただければと思います。そのときは、とっておきの知恵、金融リテラシーをお伝えしたい、なんて思ってます(笑)。
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2022/12/2作成
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