ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.240(2023年2月10日)「投資」はみんなの自分事、日本でも進み出す「貯蓄から投資」へ

「投資」とは何か?整理の仕方は色々あると思いますが、私は常々、「投資」は大きく3つに分けられて、それぞれの目的に応じた特徴やコツがあると申し上げています。

投資の主な分類と考え方

投資の主な分類と考え方

ざっくりした分類ではありますが、現役世代の皆さまにとっては、まずは③の資産形成のための「投資」ですね。今から資産を作りたいので、大切になるのは、長期・積立・分散投資(=投資の三大原則)になる、という話しです。

この原則、いつの時代でも変わるものではありません。でも、ここ数年で急に注目されだしたのは、人生100年という時代背景とともに、少し前だと「老後資金2000万円問題」、最近では「資産所得倍増プラン」がきっかけになっているのでしょう。また、投資の三大原則を誰でも簡単に実践できる、つみたてNISAやiDeCo(イデコ)といった制度が整ってきたことも、この流れに一役買っているのだと思います。

一方、②の資産保全のための「投資」で大切になるのは、インフレヘッジや分散投資。そんな特徴やコツを、ある程度、貯蓄をお持ちの高齢者の皆さまへ申し上げてきたのですが、正直、去年あたりまでは、なかなか響きませんでした(苦笑)。というのも、日本は長くデフレの時代で、インフレ自体を肌感覚として理解できない、そんな方が多かったのだと思います。

ところがどうでしょうか。最近は生活実感として、そこかしこで値上げのオンパレード、世界を見渡せば、利上げにつぐ利上げです。逆に低金利国の日本では通貨安、つまり、円安傾向に拍車がかかっています。ですから、インフレと低金利、円安が相まって、②の資産保全のための「投資」について、その必要性が見直されているのです。そして、国際分散投資で中長期の運用に最適なファンドラップというサービスが、今ある資産を守るための受け皿として、今後、ますます脚光を浴びることになると思います。

従来、日本で「投資」と言えば、①の資産運用のための「投資」を思い浮かべ、「投資」自体が他人事(ひとごと)だった人が多かったのでしょう。でも、現役世代を中心に③の資産形成のための「投資」が、そして、高齢者を中心に②の資産保全のための「投資」が、それぞれの自分事(じぶんごと)になれば、①の資産運用のための「投資」も含めて、日本でもようやく「貯蓄から投資」が前に進み出す、そんなふうに思いますし、引き続き、その後押しやサポートをやっていきたいですね。

大和証券
2022/10/21作成

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