前回のコラムでは、先日、公表されたNISA利用状況に関するアンケート結果※をもとに、つみたてNISAという制度が20代や30代に刺さったからこそ、NISAの認知や利用が進んだことを確認しました。今回はその利用実態をもう少し深堀りしてみようと思います。
まずはNISA口座を開設した理由。「老後の資金を蓄えるため」が最も多く、「預貯金だけでは貯蓄として不十分だから」「余剰資金の運用のため」といった理由が続きます。年代別だと、40~50代は「老後資金」、20代は「預貯金の代替」、70代は「余剰資金運用」として、NISAやつみたてNISAを利用しています。特徴が表れていて面白いですね。
(年代別)NISA口座を開設した3大理由
こうした年代別の特徴は、NISA口座資金をどこから用立てているのか、そんなアンケート結果からも読み取れます。
(年代別)NISA口座のお金はどこから?
「毎月の給与」と「預貯金で貯めていた資金」がNISA口座への2大供給源になりますが、年代別に綺麗に逆相関の関係にありますね。前者は若い世代で多く、後者は高齢世代で多い、ということです。
改めて思うのは、「貯蓄から投資へ」のスローガンだけでは不十分なんだろうなぁ~、ということです。特に20代の皆さんは、貯蓄としてつみたてNISAを利用する、つまり、「所得から投資を活用した貯蓄(貯蓄=投資)」なんですね。スローガン一つとっても、そんな利用実態を踏まえた、きめ細やかな啓発活動が、さらなる投資普及には必要なのかもしれません。
大和証券
2022/6/24作成
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