年明け以降、世界中の株価が冴えません。昨年から積立投資をはじめた社会人の娘も少し不安な様子。娘からの相談を想定(期待?)して、前回は過去40年の株価推移を示し、先進国の株価は経済危機や金融ショックで下落しても、その後、必ず回復している、という歴史を確認しました。
でも歴史はあくまでも過去のこと。将来、同じことが繰り返されるとは限りません。ですから、歴史が教えてくれる長期的な楽観が、なぜ、繰り返されるのか、娘にはその仕組みを理解して欲しいですね。今回は、そんな話しを積立投資が不安なときの処方箋に書き加えたいと思います。
さて、娘が積立投資で選んだのは、先進国株式のインデックスファンド、先進国企業で構成された株価指数に連動する商品です。このように説明すると、なんとなく指数そのものに投資しているようにも思えますが、実際にインデックスファンドが最終的に投資している先は、先進各国の個別株式になります(一部、先物商品も含みます)。また、なんとなく“静”のイメージがあるインデックスファンドですが、過去から未来永劫、同じ株式に同じ割合でずっ~と投資し続ける、というものでもありません。というのも、インデックスファンドが連動を目指す株価指数自体、その構成銘柄を定期的に見直しているからです。そこで、実際に組入上位銘柄がどれくらい入れ替わっているのか、手元で目論見書が確認できる先進国株式ファンドを例にとって、約20年前と今を比較してみました。
先進国株式インデックスファンドの組入上位銘柄比較※
上位10銘柄で比較すると、20年前と同じなのはマイクロソフトの1社だけ。もちろん、他の企業が全て潰れたわけではありません。11位以下に名を連ねているケースもあるでしょう。
でも、ここで理解して欲しいのは、この株価指数は定期的に構成銘柄を入れ替えて、その時々の選りすぐりの優良企業の集合体であり続けている、という事実です。言わば、先進国企業のオールスターチームに投資し続けるわけですから、一時的に価格が下落、低迷しても、その後、いずれかのタイミングで必ず回復する、という確からしさが感じられると思うのです。長期的な楽観が、このような仕組みに裏打ちされているとわかれば、実は株価が冴えない今こそ、積立投資を続けるべきであり、長期的に見れば安く仕込むチャンスになる、そんなことも娘には理解してもらえるはずです。実際に相談があったわけではないので、たぶん、ですが…(苦笑)。
大和証券
2022/5/27作成
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