ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.207(2022年6月24日)20代のお金の知恵/長期・積立・分散投資と言うけれど…

資産形成の王道は、長期・積立・分散投資です。でも、投資初心者からは、こんな話しをよく聞きます。「長期と積立は分かります。今、お金があるわけではないので、積み立てするしかないですし、結果的に長期投資になりますよね。でも、分散投資って何を選べばいいのか分かりません…」と。

ちょっと気の利いたアドバイザーなら、「それなら、バランス型の投資信託やファンドラップというサービスで、分散投資を専門家に任せてみてはどうですか?」と言うでしょう。特に相談者が想定している投資期間がそれほど長くない場合は、最適なアドバイスの部類に入るでしょう。でもそうすると、積立・分散投資になってしまいます(苦笑)。20代の皆さまにとっては、せっかく投資で時間を味方につけることができるのに、何だか少しもったいない、そんなアドバイスかもしれません。

片や、金融理論で少し頭でっかちなアドバイザーなら「投資のリターンは、アセットアロケーションによって、その9割が説明できるのです。つまり、分散投資がとても大事だ、ということですね。ですから、ここはあなたのリスク許容度に応じて…」なんて話しはじめることでしょう。もしかしたら、そんな説明を聞かされて、「なんだか投資って難しそう??」と諦めた経験をお持ちの人もいるかもしれませんね。

分散投資が大切じゃない、そんなこと言いたいわけではありません。でも、この分散投資がネックになって、投資に踏み出せない人が、特に20代の皆さまの中には、少なからずいらっしゃるのではないかと思うのです。そして、最近、私が、そんな20代の皆さまにご説明するのが、このグラフです。

確定拠出年金の運用期間別・損益別顧客比率(2020/3末)

確定拠出年金の運用期間別・損益別顧客比率(2020/3末)

これは長期・積立投資が誰でもできる確定拠出年金の利用者について、儲かっている人とそうでない人の割合を運用期間別に並べたもの。最近では一番運用成績が落ち込んだコロナショックの時でさえ、長く運用していれば、ほとんどの人が儲かっているのです。分散している人もしてない人もいるでしょう。少し乱暴な言い方ですが、何を選んでもいいのです。なぜなら、長期的な平均リターンはどの商品でもたいていプラスだからです。20代の皆さまにとって、何より大切なのは、とにかく早く長期・積立投資をはじめること。そんなことをこのグラフは語りかけているように思います。ご参考まで。

  • ※出所:大和証券が運営管理機関を務める企業型DC、iDeCoの加入者・運用指図者の運用成績分布

大和証券
2022/4/8作成

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