ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.206(2022年6月17日)20代のお金の知恵/いよいよ到来、DC1000万人時代

DCとは、Defined Contribution Planの略で確定拠出年金制度のこと。勤め先の企業年金制度の一つである企業型DCは2001年から、私的な年金制度である個人型のiDeCo(イデコ)は2002年から、それぞれはじまった制度です。昨年10月、厚生労働省の方が講師を務める研修で、DC加入者数の推移について説明がありました。

個人型DC(iDeCo)&企業型DCの加入者数※1

個人型DC(iDeCo)&企業型DCの加入者数

2021年7月末時点で、iDeCoが210万人、企業型DCが772万人、加入者は合計982万人になります。そして、先日、2022年1月にはiDeCo加入者数が230万人になったことを確認しました※2。毎年、順調に加入者が増えている企業型DCの傾向を踏まえると、老後に備えDC制度を利用している人が1000万人の大台に達した、ということでしょう。2021年3月末時点で公的年金の加入者数は6740万人ですから、現役世代の14.8%(≒1000÷6740)、ざっくり言えば、7人に1人以上がDCを利用しているのです。

でも、制度開始以来だと20年以上かけての1000万人。2年と少しで利用者が1000万人の大台に乗ったNISA制度に比べると随分時間がかかったことになりますが、DC制度はここから更に利用者が増えるのではないかと思います。なぜなら、個人型のiDeCoを中心に、使い勝手が更によくなる、そんな制度改正が目白押しだからです。具体的には、2022年5月以降、国民年金の被保険者であれば65歳までiDeCoに加入できるようになります。また、2022年10月には企業型DCの加入者がiDeCoを併用しやすくなり、2024年12月からは公務員等の積立金額上限が、原則、月1.2万円から月2万円に引き上げられるのです。言わば、「国民皆年金」ならぬ、「国民皆iDeCo」の時代を見据え、DCの普及が更に進んでいくのです。

その普及のボリュームゾーンは、今、20代の皆さまになるはずです。というのも、長期・積立・分散投資による資産形成の王道で、最もメリットを享受できるのが、味方につける時間を一番持っている20代の皆さまだと思うからです。ぜひ、自分事としてDCのことを考えてみて下さい。ご参考まで。

  • ※1 出所:厚生労働省年金局企業年金・個人年金課「企業年金等の現状と課題」(令和3年10月9日)
  • ※2 出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」(令和4年3月1日)

大和証券
2022/4/1作成

ライフプランコラム
「いま、できる、こと」トップページ

TOP