Emotet(エモテット)※1感染が日本でも増えています。私の職場でも注意喚起がひっきりなし。驚くのは、Emotet自体があの手この手で、その装いを進化させていること。過去の手口に注意するだけでは不十分、その本質的な違和感を察知する、そんな感覚が必要だと思います。
改めて前回紹介した「消費者トラブル最新10選」※2を眺めてみると、その悪質業者もEmotetの攻撃者と同じように、実に巧妙に20代の若者へ迫っていることがわかります。もっと言えば、悪質業者こそ、ライフプランの本質を理解しているのではないかと、そんなふうにも思うのです。なぜなら、この10選は、ライフプランの構成要素とも言われる、「生きがい」「健康」「お金」の3つで整理できると気づいたからです。
消費者トラブルのライフプラン3要素による整理
例えば、SNSで知り合った相手からの勧誘、これはコロナ禍で人と知り合う機会が少なくなり、その縁を大切にする若者の気持ちにつけこむのです。出会いや恋愛も同様ですよね。
就活を絡めた仕事関連のトラブルも含めて、若者の「生きがい」の実現を応援する、そんな仮面を被っているのです。
そして、「健康」は老若男女が求めるもの。なかでも、若者を狙う手口としては、もっと綺麗になりたい、もっと痩せたい、こうした願いをかなえてあげると忍び寄ってくるのです。
最後の「お金」は、いわゆる「金融リテラシー」があれば避けられるもの。知るべきは「リスクとリターンの法則」、つまり、リターンを得るには、リスクを取らなければいけない、これだけです。でも、「ここだけの話、あなただけに…」と言われると、「金融リテラシー」があっても騙される、そういうものかもしれません。
私はライフプランセミナーで「金融リテラシーを身につければ、金融詐欺を避けられます」、そんな話をよくします。でも、「金融リテラシー」だけでは不十分かもしれません。敵もさるものひっかくもの、「お金」だけでなく、「生きがい」や「健康」といったライフプランの他の要素に訴えかけてくるのです。
では、どうすればいいか。一番のおススメは、やはり、ライフプランを“しっかり”立てること。悪質業者の甘言も、自分自身のライフプランと照らし合わせることで、その中にある違和感を感じることができるでしょう。とは言え、“しっかり”と言われれば言われるほど、ライフプランはなかなか立てられないもの。そんな人は、このコラムを読み続け、ライフプランを自分事として考える機会を増やす、これも一つの手かもしれません。これからも、そんなメッセージを発信していきたいですね(笑)。
大和証券
2022/3/25作成
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