ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.200(2022年4月28日)20代のお金の知恵/ライフプランニングの本質とは?

「この春から高校でも金融教育が必修化される!」、最近はニュースでもよく見かけます。そんな報道に一番焦っているのは、実は20代の皆さんかもしれませんね。「自分が高校の頃、そんなこと教えてもらわなかったよ〜」なんて……(笑)。

そうした報道では、「金融教育」とか「投資を学ぶ」といったことばかりクローズアップされがちですが、そもそも、それらは手段であって、目的ではありません。目的は自分自身のライフプランを実現すること、そのために金融や投資を学ぶ必要がある、ということなのです。ですから、まずはライフプランニングを自分事として考える、これが第一歩になると思います。

そして、20代の皆さまにライフプランニングを自分事として考えてもらうための格好の題材が「教育費」です。これは住宅費と老後の生活費とともに「人生の3大支出」とも言われますが、20代の皆さまにとっては、自分自身が関係した支出として、一番具体的にイメージしやすいのが「教育費」だと思うからです。例えば、20代向けのセミナーや新入社員向けの研修では、下のような表を紹介することがよくあります。参加者の皆さんが、生まれてから高校や大学を卒業するまで、どれくらいのお金がかかったことになるのか、ざっくりではありますが、実際にイメージしてもらうのです。

教育費の相場観

教育費の相場観

どうですか?かなりの金額になるでしょう。大学卒業までを考えると、教育費は子ども一人に1000万円レベルの大きな金額がかかることになります。この合計金額を見て、「結婚したくない」とか、「子どもを持ちたくない」とか、そんなことを思う人もいるかもしれませんね(苦笑)。たしかに、結婚や子育てにはお金がかかりますので、間違いなくお金が減ってしまう、そんな人生の選択になります。

でも、ちょっと待って下さい。ここで思考を止めてしまうと、ライフプランニングをお金の出入りでしか眺めていないことになります。考えるべきは、結婚や子育てというライフイベントを、自分自身の生きがいとして考えることができるかどうか。つまり、お金には代えられない価値を未来志向で考える、これがライフプランニング、ということなのです。

面白いと思いませんか? だって、お金に代えられないことを実現するために、お金の算段をつけるわけですから。でも、それがライフプランニングの本質ってことかもしれませんね(笑)。

  • ※出所:文部科学省「子供の学習費調査(平成30年度)」、「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果(令和3年度)」、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」

大和証券
2022/2/18作成

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