ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.169(2021年9月17日)教育資金の準備、ライフプランニングっぽいコツは?

コロナ禍の影響で赤ちゃんが減っています。厚生労働省の人口動態統計によると、2020年に生まれた子どもは84万832人、過去最低の出生数だとか。今でもコロナ禍は続いているので、2021年の出生数はさらに減るかもしれません。

コロナ禍を抜きにしても、日本の出生数は第2次ベビーブーム(昭和46〜49年)以降、ほぼ一貫して減少しています。なぜ、子どもの数が減っているのか? 厚生労働省の出生動向基本調査でその理由を確認してみました。

理想の子ども数を持たない理由※1

理想の子ども数を持たない理由

夫婦が理想の子ども数を持たない理由として一番多いのが「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」。特に若い層では8割前後の人が理由に挙げているようです。教育資金は「人生の3大支出」の一つで、ざっくり言えば、子ども一人で約1000万円※2、お金がかかることは間違いないでしょう。

でも、金額だけを見て諦めないでほしいですね。というのも、教育資金の準備にはコツがあるからです。まず、高校卒業までと大学で分けて考える。そして、高校卒業までは家計でやりくりし、一番お金がかかる大学費用は時間をかけて計画的に準備する、これがライフプランニングっぽいコツですね。

また、2019年10月からは幼児教育の無償化がはじまっています。その分、家計にも余裕が出て、大学費用の準備にも拍車がかかるはずです。おそらく、今年の調査では「お金がかかりすぎるから」という理由で子どもを持たない夫婦は減るのではないでしょうか。その代わり、コロナ禍ですから「子どもがのびのび育つ社会環境でないから」が増えるかも、ですね。

なお、「高年齢で生むのはいやだから」、「欲しいけれどもできないから」という理由は、晩婚化に関係ありそうですね。経済的な理由以上に、年齢的な理由がクローズアップされる日も近いかもしれませんね。そうなると、少子化対策の軸足は、既婚者向けから未婚者向けへと移ることになるでしょう。そんな風に思います。

  • ※1 直近調査(2015年)と同じ理由で比較できる調査のうち、一番昔の調査(2002年)との比較
  • ※2 幼稚園から高校まで公立、大学のみ私立の場合、文部科学省「子供の学習費調査(平成30年度)」、「私立大学等の入学者に係る学生納付金等調査結果について(平成30年度)」をもとに試算

大和証券
2021/7/9作成

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