投資におけるリスクってなに?
まずは、投資におけるリスクの考え方について見ていきましょう。
リスクとは将来の不確実性
投資におけるリスクとは、「不確実」なことを意味します。具体的に「不確実」とは、時間の経過やイベントの発生などさまざまな要因により、収益や損失が変動する可能性があることを意味します。一般的に、収益と損失で大きな変動があるものについてはリスクが高く、変動が小さいものはリスクが低い、ということがいえます。
また、投資の世界においては、この変動幅のことを「ボラティリティ」と呼びます。一般的に「ボラティリティが高い」というのは、「リスクが高い」ということとほぼ同義です。
代表的なリスクの種類
さて投資のおけるリスクといっても実はその源泉や性質によって、さまざまな種類があります。どういったものがあるのでしょうか。
価格変動リスク
まず挙げられるリスクに「価格変動リスク」があります。株式などの有価証券や為替は日々市場で取引が行なわれており、価格は常に変動しています。したがって、買付時より価格が下がれば損失が発生し、買付時より価格が上がっていれば利益が発生します。
為替変動リスク
「為替変動リスク」は、為替相場の変動により資産の価値が変化するリスクです。例えば、1ドル100円のときにドルを買い、その後1ドル110円になれば10円の含み益が出ます。一方、1ドル100円のときにドルを買って1ドル90円になれば、10円の含み損を抱えることになります。
金利変動リスク
「金利変動リスク」とは、金利の動きによって資産の価値が変動するリスクです。中央銀行の施策などに影響されながら、金利は日々変化しています。金利とはお金の価値のことです。日々変化する金利によって金融商品は価格が変化します。
例えば、利率が年5%の固定金利の債券を買ったとします。その後、社会が年10%の金利情勢になってしまった場合は、年5%の金利の債券にはあまり価値を感じられないでしょう。つまり、債券の価格は下落するということになります。一方、社会が年1%の金利情勢になった場合は、年5%の金利の債券は非常に価値が高まります。したがって、債券価格が上昇することになります。
信用リスク
「信用リスク」とは、有価証券などの発行体の信用力(発行体が負う金融債務に対する総合的な債務履行能力)の変化によって資産の価値が変化するリスクです。事業の業績、財務状況のみならず、報道や噂なども発行体の信用力に影響します。
例えば、リーマンショックの際には、有力な投資銀行だったリーマン・ブラザーズの経営破綻を発端に、さまざまな金融機関の経営破綻が疑われ、市場全体で信用リスクが急上昇し、株式や債券の価格が大きく下落しました。
許容できるリスクは人それぞれ
投資には上記の通り、さまざまなリスクがありますが、運用の目的や投下資金の性質に合わせて、ご自身が取れるリスクを慎重に取捨選択していく必要があります。
こうしたリスクを許容できる度合い、すなわち「リスク許容度」は、投資経験、職業、年齢、家族構成などによっても変わります。自分のリスク許容度については客観的なアドバイスも受けながら、確認していくことが重要です。
投資におけるリスクとリターンの関係性
投資では、基本的に「リスクの高い資産はリターンも高い」という傾向があります。では、リスクとリターンは、どのようにバランスをとればよいでしょうか?最適なリスクとリターンの組合わせは、あるのでしょうか?
資産クラスによって期待リターンやリスクは異なる
投資資産は、株式、債券、不動産、コモディティ(金や原油)、オルタナティブ(非伝統的投資商品)など、さまざまな資産クラスに分けられます。実はこの資産クラスによって期待できるリターンやリスクの度合いには、大きな違いが生じます。
相関性を利用したリスクとリターンの効率化
リスクとリターンのバランスをコントロールするには、この資産クラスの組合わせが重要となります。
組合わせを考えるにあたっては、相関性という考え方が重要となります。では、相関性とは何か?株式と債券を例に、相関性の具体例を見てみましょう。
一般的に、株式と債券は「逆相関」という関係になります。株式は、今後景気が良くなっていくと考えられれば買われ、株価は上昇します。一方、景気が良くなると、中央銀行は景気の過度な上昇を阻止するために金利を上げます。すると金利変動リスクで説明した通り、市場金利が上がり債券価格は下落します。つまり、株価が上昇すると、債券価格は下落するという関係性にあります。こうした関係性を「逆相関」といいます。
こうした異なる資産クラス同士の相関性を考慮し、さまざまな資産クラスをうまく組合わせれば、リスクを抑えながらリターンを向上させるなど、効率的な運用を行なうことが可能となります。
効率的な運用を実現する上でのポイントは?
では次に、実際に効率的な運用を行なう上でのポイントについて詳しく見ていきましょう。
長期間での運用
資産の値動きを短い期間で見てみると、日々のニュースやイベントに左右されたり、銘柄独自の影響が大きく出たりと、激しく変動する日も少なくありません。
しかし一方で、資産の値動きを長期的な目線で見てみると、こうした日々の値動きの影響は薄れ、その資産が持っている本来の性質に基づいた値動きに収れんする場合がほとんどです。その結果、長期での資産運用では自然と、期待リターンに近いリターンが獲得できる可能性が高くなります。
このように、日々の変動は大きいものの期待リターンが高い株式などは、長期での運用が効果的でしょう。実際、米国の株式市場の動向を表す株価指数であるS&P500指数を見てみると、2020年時点での指数は40年前に比べて約40倍になっています。リーマンショックなど一時的な下落局面はあったものの、長期的に運用していくことで、株式本来の期待リターンを獲得することが出来たといえます。
分散投資
投資には前述の通り、さまざまなリスクがあります。一つのリスクにたくさんの資産を晒してしまうと、思わぬ損失が発生する場合があります。どんな経済状況下でも安定的に資産を運用していくためには、さまざまな資産クラスや商品に資金を分けて投資する(=リスクを分散する)ことが重要です。そうした投資商品毎の配分をポートフォリオといいます。
先ほど見た通り、さまざまな資産クラスを組合わせることでリターンを維持しながらリスクを軽減することが可能です。効率的な運用を行なうには、運用の目的やリスク許容度に応じた最適なポートフォリオの作成が欠かせません。
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資産運用プランニングで効率的な運用を
ここまで、投資におけるリスクについて解説してきました。投資におけるリスクとは、将来の不確実性のことです。重要なことは、自分のリスク許容度をきちんと確認した上で、長期運用・分散投資を行ない、リスク・リターンの効率性を高めることです。大和証券の資産運用プランニングは、お客さま一人ひとりに応じた最適な資産運用をサポートします。資産運用でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
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