毎日暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
天候と言えば本州以南では夏が来る前に「梅雨」が来ますが、これは毎年の“お決まりのパターン”ですよね。
また、北日本の冬には「雪」が降るのも“お決まりのパターン”ですね。
この「お決まりのパターン=予測可能なサイクル」は、いろんなところで発見することができます。
一見ランダムに動いているように見える株価にも、このお決まりのパターン(予測可能なサイクル)を見つけることができます。
第5回目の今日は、相場のお決まりパターン「サイクル(日柄分析)」について学びましょう!
はじめにお話ししておきたいことがあります。
サイクル(日柄分析)はテクニカル分析の中でも非常に重要な分析手法です!
テクニカル分析のキモだと心得て読み進めていただければと思います。
それではまず用語の意味からきちんと押さえていきましょう!
サイクルという用語は日常生活でも聞き馴染みがあると思います。
では、「日柄(ひがら)」という用語はいかがでしょうか?
保有している株式の株価が下落してしまった時に、「いつごろ売れるのか?」と考えてみたり、購入したいと思っていた株式の株価が買う前に上昇してしまった時、「いつごろ買えるのか?」と考えてみたりして、「●日後ぐらいに売れそうだな(買えそうだな)」と、その時間(日数)を考えることがあると思います。こんな時に考えている時間(日数)が「日柄」です。
チャートを想像していただくとさらに分かりやすいと思います。
株価が上昇と下降を繰り返しチャート上に波を描くとき、そのピークやボトムが一定の周期で表れることがあります。価格水準にかかわらず、時間(日数)に注目して周期性をつかみ、相場が変化する日を予測し、売買の判断に役立てることをサイクル(日柄分析)といいます。
これまでの4回の講義で株価チャートの分析手法を学んできましたが、チャートを分析する事と同じように、日柄でも値動きに法則性があることに気付けると、相場分析の可能性が広がります!
サイクルは銘柄によって異なり、短期・中期・長期さまざまなサイクルがあります。
それでは各銘柄のサイクルをチャートで確認してみましょう!
短期的な株価サイクル
チャートを確認しよう! |
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中期的な株価サイクル
チャートを確認しよう! |
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長期的な株価サイクル
チャートを確認しよう! |
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では何がどうなれば「サイクルだ!」と判断して良いのでしょうか?!
はじめの一歩として、サイクルに気付くための“サイクルの定義”を確認しましょう。
サイクルの定義
定義【1】 |
位相(いそう) まず、安値の位置を確認しましょう。 |
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定義【2】 |
振幅(しんぷく) その安値から前後にある高値までの価格差を確認しましょう。 |
定義【3】 |
周期(しゅうき) 安値から次の安値までの期間を確認しましょう。 |
サイクルの定義 |
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この3つの定義を使ってサイクルを見つけ出すのですが、とても簡単にサイクルを見つける方法を「オンライントレードにログイン!」コーナーで多機能チャートを使ってご説明します。
では次に、サイクルの基本原則についてもサラッと確認しておきましょう!
サイクルの原則
多様性の原則 |
サイクルによって様々な違いが存在する。 |
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名目性の原則 |
各市場の差や多様性とは別に、全ての市場に有効な、一連のサイクルが存在する。 |
合成性の原則 |
全てのサイクルは、2つ或いはそれ以上の異なるサイクルを合成した状態で存在している。 |
調和性の原則 |
大きなサイクルは小さなサイクルの整数倍になる。 |
同時性の原則 |
大きなサイクルと小さなサイクルは同時に安値をつける。 |
比例性の原則 |
大きなサイクルの振幅は小さなサイクルよりも大きい。 |
ここまででサイクルのルールを学んできましたが、相場のサイクルには、100%の規則性があるのではなく80%以上の確率で起こると言われています。
どういうことかと言うと、5週間隔の短期サイクルを形成している銘柄があったとします。
直近の安値から次に付けるであろう安値は、80%の確率で4~6週間隔でサイクルになる可能性があるということです。
もちろん100%の法則であるほうが、ありがたい教えのように感じられると思いますが、そこは需給で成り立つ相場ですので、寛容にお願いします。
サイクルのトランスレーション
サイクルの安値から次の安値までの距離を測り、その中心とサイクルの高値の位置とを比べた時、中心よりも早く高値を付けることを「レフト・トランスレーション」とよびます。
また、中心より遅れて高値を付けることを「ライト・トランスレーション」とよびます。
レフト・トランスレーション (弱気サイクル) |
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ライト・トランスレーション (強気サイクル) |
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強気サイクルの後には強気サイクルが再び来て、弱気サイクルの後には弱気サイクルが再び来るという傾向があります。
より大きなサイクルを形成する要因として景気循環があります。
過去の日経平均も概ねこの循環に沿った動きが見られます。
景気循環とは、好況、後退、不況、回復という4つの局面が順番に繰り返し現れることで、景気変動とも呼ばれます。
また、好況→後退、後退→不況、不況→回復、回復→好況への変遷過程を景気の調整局面と言います。
景気循環 |
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チャートを確認しよう! |
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景気循環は、安値から次の安値までを1つの周期としています。
代表的な景気循環
名称 |
景気循環形成の要因 |
教科書的周期 |
佐藤経験上の周期 |
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構造循環 (コンドラチェフ循環) |
技術革新による産業構造の変化 |
50年~60年 <長期循環> |
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建設循環 (クズネッツ循環) |
資本ストックの中でも特に構造物の更新 |
20年前後 |
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設備循環 (シュグラー循環) |
企業の設備投資(機械等)の更新需要 |
10年前後 |
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在庫循環 (キチン循環) |
企業の在庫投資の変動 |
1年~2年 <短期循環> |
教科書的に書かれている周期も参考になると思いますが、私が20年以上マーケットを見てきて掴んだ佐藤経験上の周期でサイクルを探してみてください!
それでは第5回の締めくくりに、「サイクル」を見つけてみましょう!
大和証券のオンライントレードの「多機能チャート」には、テクニカル分析に強くなる機能がたくさん揃っています。
大和証券オンライントレードにログイン
※パソコンからログインしてください
検索窓から銘柄を検索
※4桁の銘柄コードでも銘柄名でも、どちらでも検索できます。
多機能チャートをクリック
「設定」>「基本チャート/オプション」>「ピークボトム表示」をクリックすると「日柄」にチェックができます!

本来であれば、サイクルの定義の復習をして、それぞれがどこに該当するのか確認したいことろですが、
大和証券のオンライントレードの「多機能チャート」なら、
そんなことをしなくても簡単に答えがチャートに表示されます!

【第5回のまとめ】
テクニカル分析の中でもとても重要なサイクル(日柄分析)は、多機能チャートを使うと、とても簡単に見つけられるということが判明しましたね!
今回で株価チャート編は終了です。
次回からはいよいよ、テクニカル指標編がスタートします!

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