株式取引の判断をみなさんはどのようにされていますか?
株で勝つためには、売買のタイミングの判断はとても重要です。
勘に頼るのではなく、論理的な方法を使って成功率を高めようと生み出された手法が「テクニカル分析」です。
チャートや指標にはそれぞれ長所短所があり、相場局面に合わせて使い分けることが大切です。
私がテクニカルアナリストになった当初、徹底的に学んだのは「株価チャート」です。
まずはチャートのパターンをすべて覚えることから始めました。
チャートはマーケットの言語でもあり、テクニカルアナリストにとって最も大切な「道具」です。
そのチャートの基本の「き」ともいえる「ローソク足」。
第1回目の今日は、この「ローソク足」について学びましょう!
株価チャート(株価の推移をグラフにしたもの)にはいくつかの種類がありますが、その中でも最もポピュラーなのが、日本生まれの「ローソク足」を使ったチャートです。
ローソク足には、始値 (寄付)、高値、安値、終値 (引値)の4つの株価データ(四本値)が集約されています。
それぞれのローソク足からどんな買いサイン・売りサインが読めるのか、見ていきましょう。
【1本の場合】形状 |
呼び名 |
足の持つ意味 |
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大陽線 (だいようせん) |
寄付きから大幅に上昇し、引けまで高値を維持できた先高(将来高くなる)見込みの強い足。 |
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小陽線 (しょうようせん) |
上下に短いひげがあり実体も短い陽線を描いた足で、星とも呼ばれ、迷い線の1つ。相場に方向感がないことを示す。 小陽線が出現すると、市場心理は判断が難しいとして見送る姿勢が強くなる。 |
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上影陽線 (うわかげようせん) |
上ひげが長い陽線を描いた足のことで、「上影」は上ひげの意味。 終値が高値を維持できずに安くなり、上値の重さを表す。 強い売りの線であり、市場心理としては売りの姿勢が持続されることが多い。 一般的に、上影陽線が出現したら売りのサインといわれている。 |
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下影陽線 (したかげようせん) |
長い下ひげのある陽線を描いた転換暗示線の1つ。 高値圏に出ると「売り」、安値圏に出ると「買い」を暗示する。 |
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大陰線 (だいいんせん) |
寄付きから大幅に下落し、引けまで株価が戻らなかった先安(将来安くなる)見込みの足。 |
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小陰線 (しょういんせん) |
上下に短いひげがあり実体も短い陰線を描いた足で、星とも呼ばれ、迷い線の1つ。 |
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上影陰線 (うわかげいんせん) |
上ひげが長い陰線を描いた足で、寄付き後に一本調子で値を上げて高値をつけ、その後、始値より安く引けたものである。 大引けにかけて売り圧力が残った相場で、翌日は売り先行で始まる可能性が高い。 |
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下影陰線 (したかげいんせん) |
長い下ひげのある陰線を描いた転換暗示線の1つ。 高値圏に出ると「売り」、安値圏に出ると「買い」を暗示する。 |
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寄引同時線 (よりひきどうじせん) |
寄り(始値)と引け(終値)が同じ価格であったことを示す売り方と買い方のバランスが拮抗していることを示しており、今後、相場が上昇か下落かのどちらかに動きが出始めることを暗示。 |
2本以上のローソク足の組合わせの持つ意味を理解して、実践に役立てていきましょう。
はらみ足
当日の実体部分の値幅が前日の値幅以内で動き、売り方、買い方が小幅な動きの中でせめぎ合っている状態を表しています。前日の大きな動きを「母体」として、当日の小幅なローソク足を「はらんだお腹の子」と見立てたことからこの呼び名が付きました。相場にも新たな生命の誕生が期待され、相場の流れが変わる前兆と捉えられています。この足自身の意味よりも、その翌日の動きが重要になるので、この足を見つけたら「翌日は注意!」と心得ましょう!
はらみ足 |
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かぶせ足
長い陽線を出した翌日、陰線が上からかぶさる様に出ているローソク足の状態を「かぶせ足」と呼びます。売りの勢いが強いことを示し、相場上昇時にはひとまず利喰いを考えるのがよいでしょう!
と言うのも、陽線は買いが多い時にでるのが基本です。それに対して陰線が上からかぶさる様に出るということは、売りの方向に株価が進んでいることを示すからです。
かぶせ足 |
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窓(ギャップ)
ローソク足とローソク足の間にできた隙間のことを日本では窓(まど)、酒田五法では空(くう)、アメリカではギャップと呼んでいます。窓として値を飛ばしている部分は、取引がゼロという真空地帯を意味しますので、一回下値をトライするときに、窓としてあいている部分を埋めやすいという傾向があります。
その一方で窓を開けるほどのよい材料(悪い材料)が出ているケースもあるので、ニュースなどを確認しましょう。
窓(ギャップ) |
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酒田五法とは、江戸時代、米相場で活躍し『相場の神様』と呼ばれた、本間宗久(ほんまそうきゅう)によって編み出された投資手法(ローソク足の見方)です。相場全体の流れでまれに起こり得るパターンを示しています。(1年に1回あるかないか…)
それでは、5つの基本パターンを見ていきましょう。
酒田五法の「酒田」は、本間宗久の出身地「山形県酒田」の名前が付いています!
三山(さんざん)
三山は相場が下落に向かうときに見られる形(天井形成の典型的なパターン)で、上げ下げを3度くり返して3つの天井(山)を形成します。真ん中の山が最も高い「三尊天井」が典型で、「ヘッド・アンド・ショルダー」とも呼ばれています。
三山 |
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三川(さんせん)
三川は三山の反対で、相場が上昇に向かうときに見られる形(大底形成の典型的なパターン)です。
三川 |
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三兵(さんぺい)
三兵は陽線または陰線が3本平行して同一方向に向かっている場合を指します。
陽線が3つ並んだ形が「赤三兵」、陰線が3つ並んだ形が「黒三兵」です。
赤三兵は、終値が確実に切り上げている形で、週足でこれが出ると、大きな上昇相場の前兆となります。
逆に「黒三兵」は下げ相場のシグナルとなります。
「赤三兵」でも上ヒゲが出ている(赤三兵先づまり)は上昇力が鈍っている証拠となるので売りシグナルとなります。
三兵 |
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三空(さんくう)
三空とはチャート上に3つの空(窓)ができる場合を指します。上げ相場も、下げ相場も終わりに近づいているサインだと捉えましょう。
三空 |
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「三空」にちなんだ相場格言があります!
三法(さんぽう)
三法は相場の流れが休みに入るパターンです。
相場の転換点なのか小休止なのかを見極めるために休むことも大切だと説いています。
「上げ三法」は上昇相場で長い白のローソク(大陽線)が出た後、黒のローソク(陰線)を3本はさんでまた大陽線が出る形です。この時相場はひと休みとなりますが、次に前日線より高い値段で寄付いた白のローソク(陽線)が出れば買いサインです。またこの逆が「下げ三法」です。
三法 |
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酒田五法は、これらの他にもまだまだあり、覚えることは簡単なことではないと思います。
また、酒田五法で言われていることの多くは元々滅多に出ない珍しい足組みですので、ちゃんと覚えておくというよりも、特徴的なチャートを見てふと思い当たったら酒田五法を見直してみるというスタンスで十分だと思います。
酒田五法の他にもこれからいろいろな分析手法をお伝えしていきますが、全て覚える必要はありません。
「こんな方法もあるんだな」の気付きで十分です。
その中から、ご自身に合ったパターンを見つけてみてください。
そして、見つけることができたら根拠を理解した上で、「チャートを見て、パターンを探す」訓練を行ないましょう。
自身の勝ちパターンを見つけることができれば、株式投資がさらに楽しいものになると思います。

ローソク足は四本値を取る期間が変わると呼び名も変わります。期間が1日なら日足(ひあし)、1週間なら週足(しゅうあし)、1カ月なら月足(つきあし)とそれぞれ呼ばれます。そのほか、1年の四本値で構成される年足(ねんあし)、分単位の四本値で構成される分足(ふんあし)といったローソク足もあります。
ローソク足チャートは、ローソク足をつなげてグラフにしたものです。
このチャートを見れば、どんな値動きが展開されたのかを簡単に知ることができます。
日足のローソクをつなげたものは日足チャート、週足をつなげたものは週足チャート、月足をつなげたものは月足チャートと呼ばれます。
ローソク足チャートは、一本一本の足に意味を持たせているところが特徴で、それぞれの足、または複数組合わせることにより相場の強弱を読み取ることが出来ます。
短期間のトレンド(株価の値動き)を見る場合は、分足や日足を参考に。
長期間のトレンド(株価の値動き)を見る場合は、週足や月足を参考にしましょう!
それでは第1回の締めくくりに、今日のローソク足チャートを確認してみましょう!
大和証券のオンライントレードなら、「多機能チャート」でテクニカル分析に必要な機能が揃っています。
なお、「多機能チャート」では、陽線は赤色、陰線は青色で表わされていて、大変見やすいチャートです。
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※4桁の銘柄コードでも銘柄名でも、どちらでも検索できます。
多機能チャートをクリック
ローソク足チャートの期間を変更して動きの違いを見てみよう!

【第1回のまとめ】
ローソク足を使って今後の株価推移の予想をしていくことが、「テクニカル分析」の基本です。
次回は、「トレンドの見極め方」について解説します!

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