ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.319(2024年8月16日)セミナーFAQ/金、ペイオフ、そして積立の税金……

50代、60代向けのライフプランセミナーでの質問です。

「金の購入・積立てについて(購入・売買時の手数料など)」

「預貯金のペイオフについて(特に財形のペイオフ)」

「金融商品にかかる税金について、積み立てていたものを満期等で受け取るときは、どんな税金がかかりますか?」

色々なご質問を頂戴しましたが、裏を返せば、これからのマネープランを真剣に考えていらっしゃるのでしょう。以下、一般論としての回答です。ですから、各商品の取扱先に確認の必要はありますが、ある程度、知識を持っていたほうが何ごともスムーズにいく、これくらいの気持ちで読んでください。

【金への現物投資】

金への投資方法には、金地金(きんじがね)、金貨、純金積立等がありますね。売買時の手数料に加え、現物投資になりますので保管料や加工料等がかかるのかどうか、その辺りがチェックポイント。また、金取引の損益は譲渡所得として総合課税の対象になることも覚えておいてください。

【預貯金のペイオフ】

一般的にペイオフとは「金融機関が破綻した際に、預金等の一定額しか預金保険による保護の対象にならないこと」ですね。保護対象になるのは、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1000万円までとその利息になります。注意すべきは「1金融機関ごと」に名寄せされる、という点。財形の預け先がどこか、あまり意識されていない方もいらっしゃるでしょう。念のため、お勤め先へ確認することをオススメします。

【積立の税金】

「積み立てていたものを満期等で受け取るとき」の税金ですが、これを理解するコツは、(満期の)受取時だけでなく、積立時、運用時も含めて、課税か非課税かを意識することが大切。以下、ざっくりと私的年金の税制を整理してみました。

わが国の主な私的年金税制の概要

わが国の主な私的年金税制の概要

例えば、確定拠出年金、iDeCoの積立時は全額所得控除で非課税、運用時も非課税、受取時は各種控除はありますが原則課税。個人年金の保険型は積立時に一部生命保険料の控除がある、こんな感じです。こんなふうに眺めてみると、商品や制度は違えども、いずれかのタイミングで所得は課税されるとイメージできるでしょう。その上で、個別商品等の説明を聞くと、税金のこともスッと理解できる、そんなふうに思います。ご参考まで。

  • ※出所:谷内陽一「私的年金税制をめぐる論点」(証券アナリストジャーナル、2021.10)を参考に筆者が作成

大和証券
2023/12/28作成

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