ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.273(2023年9月29日)ライフプランセミナーFAQ⑤/身内がいない人の終活準備

50代と60代向けのライフプランセミナーでの質問です。

「最期を迎えるにあたり、諸手続きを家族以外に依頼する場合、どれくらいのお金が必要になるのか。相続人がいない家屋、土地、死亡保険金等を担保にすることができるのか」

一言で言えば、おひとり様の終活準備。そのサポートを手掛ける業者も増えていますが、玉石混交みたいですね。必要なお金にも幅があるので、大切なのは信頼できる業者の見極めになります。質問への回答としては、生前と死後、大きく2つに分けて、それぞれの準備を整理してお伝えします

まずは生前、高齢になって病院や介護施設にお世話になる場合、基本的には身元保証人が必要になります。身元保証人になってくれる親族がいない人は、事前に身元保証サービスの契約をしておくのが選択肢になるでしょう。また、万が一に備えて、警備会社による高齢者の見守りサービスに入っておくこと、足腰が弱って自由に出かけられない場合等、財産管理等委任契約を第三者と結ぶことも一案です。後者は金融機関での入出金等、手続きのたびに委任状を書かなくても本人に代わって手続きしてくれますので、高齢者にとって使いやすい仕組みだと言われています。

なお、財産管理等委任契約は本人に判断能力があることが前提、認知症になると契約は無効になります。前もって認知症に備えるには任意後見契約、予め後見人を指定することで、認知症で判断力を失った場合でも身の回りの契約を含めて幅広く対応できるようになります。

つぎに死後に向けての準備、代表的なのは死後事務委任契約、予め契約を結んだ第三者に、死後に必要な手続きを希望に沿って実行するようお願いしておくのです。大事なのは葬儀の方法とかお骨の行き先ですが、自治体への死亡届を含めて、死後の事務手続きの一切を、司法書士らの専門家や金融機関等に依頼するのが一般的です。

なお、生前と死後の両方で契約を結ぶと、どうしても費用は高額になりがちですが、最近ではおひとり様の終活を支援する自治体もあるようですね。こうした自治体への相談で多いのが、自分がいなくなった後の“家”の相談だとか。ご質問にあるように、お金を工面する手段として“家”を活用するのであれば、自宅を売却した後も賃借して住み続けるリースバックや自宅を担保に資金を借りて死後に家を売却して返済するリバースモーゲージを考えてみてはどうでしょうか。また、死亡保険金を担保なんて聞くと、なんだか命の売買っぽくも聞こえますが(苦笑)、生命保険の契約者貸付を利用したり、単純に契約自体を解約して解約返戻金を受け取ってもいいかもしれませんね。以上、ご参考まで。

  • ※参考文献:日本経済新聞 「おひとり様、死後手続きの生前契約も」(2022/1/27)、「高齢者の住まい、今後どうする? 相続・売却早めに相談」(2022/6/1)

大和証券
2023/8/18作成

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