ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.272(2023年9月22日)ライフプランセミナーFAQ④/退職金を生活費に使うための貯蓄方法

50代と60代向けのライフプランセミナーでの質問です。

「生活費として退職金を使うことを想定すると、どのように貯蓄しておく方がよいのか?」

そうですね、“生活費”ということですから、まず想定しなきゃいけないのは、何歳まで長生きすると考えるか、ですかね。私からのアドバイスは95歳まで、4人に1人がこの年齢まで長生きされるからです。

次に確認すべきは、65歳からの年金生活で生活費としてどれくらいの補てんが必要なのか、です。月々の不足額に12をかけて、さらに30をかける、これが95歳まで必要になる生活費の不足額合計ですから、この金額と退職金を比べてみて下さい。退職金の方が多ければ、全額を預金として貯蓄しておき、定期的に取崩していけばいいでしょう。

退職金の方が少なければ、そうですね、生活費として使うことができる他の貯蓄がないかどうか、確認してみてください。もし、株や投資信託をお持ちで、それらも生活費として取崩していくのであれば…、お分かりですよね、前回のコラムでお伝えしたように、定期的に定率で売却していく、これが値動きのある商品の資産寿命を長くするコツになります。

「いやいや、他にめぼしい貯蓄もないし、この退職金でなんとか生活費の不足額を工面していく」というのであれば、退職金を投資して、運用しながら取崩していくことになるでしょう。取崩しのコツはもう説明不要ですよね(笑)。問題は退職金を運用するときのコツ、でも、投資の三大原則が変わるわけではなく、退職金の運用でも、投資のリスクをコントロールするには、長期・積立・分散投資が大切になるのです。

「いやいや、退職だよ!?若い頃と違って長期投資はできないでしょう」との声が聞こえてきそうですね(苦笑)。おっしゃるとおりですが、人生100年時代ですから(耳タコですが…)、50代、60代でも長期投資は可能だとも言えますし、でも、若い頃と比べて長期がままならないなら、積立と分散をより意識した投資を心掛ける、そんなふうに考えて下さい。

特に退職金というまとまったお金だと、忘れがちなのは積立投資。まとまったお金を一時(いっとき)に投資する代わりに、そのお金を12等分して1年間、毎月積立投資するだけで、大きく資産を減らしてしまうリスクを軽減できるのです。

あとは分散ですね。今の流行りは米国株のインデックス投資ですが、退職金の運用であれば、地域や資産の分散をもっと意識すべきでしょう。その際、プロの知見をうまく活用することも1つの手、例えば、自分にあった国際分散投資を手軽に実行できるファンドラップサービス等も、退職金運用の選択肢の1つになるでしょう。ご参考まで。

大和証券
2023/8/9作成

ライフプランコラム
「いま、できる、こと」トップページ

TOP