2024年からの新しいNISA、その活用法として、高齢世代の皆さまに「孫に贈与でNISAがおススメ」なんて話し※をすると、少なからず、こんなご意見を頂戴することがあります。
「ところで、孫は投資の話しを聞いてくれるかな?実の息子とも話したことないけど…」
国民的な金融リテラシーの向上が課題と言われている日本では、そういう心配もあるかもしれませんね。言わば、お金を贈与するだけでなく、相場観も贈与できるかどうか、ということですが、実はその点、私はあまり心配していません。どういうことなのか、祖父母と孫の相場観という話しをご紹介しましょう。
アメリカのある調査によると、個人の投資判断に大きな影響を与えるのは、10代から20代にかけて、どんな株式市場を経験したのか、ということだそうです。例えば、株式市場が好調な時代に育った人は、株価が低迷している時代に育った人に比べて、その後の人生で株式に投資する金額が多かった、そんな調査結果を目にしたことがあるのです。
そこで、日本の場合はどんな感じになるのか、ちょっと調べてみました。贈与する人は70代が多いと言われますので、今年75歳になる人と、そのお孫様世代の20代、その中でも今年25歳になる人が、10代から20代に、どのような株式市場を経験しているのか、並べてみたのが下図のグラフです。
祖父母と孫の相場観
いかがでしょうか?なんとなく似たような右肩上がりの株式市場を、今年75歳の人も、今年25歳の人も、同じように経験している、そんなふうに見えるかと思います。先ほど、私が「あまり心配していません」と言ったのは、こういうことなのですが、高齢世代とそのお孫様は、意外と投資の話しが共通の、そして、共感できる話題になるかもしれないのです。
ですから、高齢世代の皆さまは、ある意味、自信をもって、積極的に、お孫様に投資の話しをしてあげてほしいと思います。そして、これから「孫に贈与でNISA」が流行っていけば、それがひいては国民的な金融リテラシーの向上にも繋がるんじゃないかと、そんなことも願っています。ご参考まで。
大和証券
2023/3/3作成
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