ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.244(2023年3月10日)どうする!?新NISA④/ずっ〜と非課税ならインカム投資も

NISAとは少額投資「非課税」制度ですが、現状、非課税になるのは、一般NISAでは投資開始の5年後まで、つみたてNISAだと20年後までと、非課税保有には期間の制限があります。これが2024年からの新しいNISAでは、非課税保有期間が無期限化、つまり、ずっ〜と非課税で保有できるようになる、ということです。

さて、最近はiDeCoやつみたてNISAを中心に、現役世代の皆さまへアドバイスをすることが多かった私ですが、たまに、一般NISAについてもアドバイスを求められることがあります。でも、NISAがずっ〜と非課税になると、これまで私が申し上げてきた一般NISA向けのアドバイスが使えなくなりそうですね(苦笑)。実はいつも、「一般NISAは非課税保有期間が5年に限られていますので、良いタイミングでうまく売り抜けることを前提に銘柄を選んでください」、そんなふうに申し上げていたのです。

これを短期売買、回転売買を推奨している、なんて言われると困ってしまうのですが(苦笑)、NISAは他の投資商品と損益通算ができないので損失を抱えたまま保有していても意味がないですし、5年という期限があるので株価の回復をいつまでも待てるわけではない、あくまでも、NISAの制度設計という観点からのアドバイスとご理解ください。そもそも、NISAは「少額」投資非課税制度、投資のリスクを「少額」という金額で限定したうえで、アップサイドの非課税メリットを取りにいく制度だと説明することが多いですね。もちろん、誰にでも同じようにアドバイスをしているわけではありません。基本的には、ある程度の投資資金をお持ちで、かつ、投資経験もあり、自己判断で銘柄選択ができる人向けに紹介している話しです。

そんな一般NISA向けのアドバイスが、新しいNISAの「成長投資枠」だと、どのように変わるのか。非課税保有期間が無期限になると、良いタイミングで売り抜けること、つまりキャピタルゲインを狙うだけではなく、配当金や分配金を非課税で受け取り続けること、つまり、長期保有のインカムゲインを目的にした投資商品(=インカム投資)も視野に入ってくる、そんなアドバイスをしてみたいですね。そして、「インカム投資」と言えば、世界債券やハイ・イールド債券もありますが、キャピタルゲインも狙える高配当株やREIT(不動産投資信託)等のほうが、新しいNISAの「成長投資枠」にはしっくりくる、そんなふうにも思っています。新しいNISAの制度改正を踏まえた一つの考え方として、ご参考になれば幸いです。

大和証券
2023/2/10作成

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