日経新聞の私見卓見という投書コーナー、「若年層が投資を始める理由の多くは『勉強になる』である」とのコメント※がありました。私自身、すごく腹落ちしました。というのも、大学生向けに金融リテラシーの講師を務めた際、同じような話しを講義後のアンケートでも目にしていたからです。
「私は半年前から積立NISAに毎月15000円つみたてています。アメリカの金利の引き上げ等もあり、プラスではありませんが、投資の習慣付けという目的で行っているので、継続していきたいと思っています」
「バイトで貯めているお金で積み立てNISAなどの投資に大学生のうちから挑戦したいと考えている」
「現在積立NISAに加入しています。将来の投資のためにも続けていきたいと思います」
このアンケート結果によれば、大学生が投資する理由は、必ずしも「儲けたい」とか「資産形成したい」とは限らない、ということですね。むしろ、投資とは自己研鑽の一つ、自分にとって「勉強になる」という思いを感じることができます。そして、「勉強になる」投資を始めるには、つみたてNISAが最適だと考えているようですね。今やNISAの対象年齢も18歳以上ですから、2024年からの新NISAでも、「つみたて投資枠」が大学投資デビューのマストアイテムになる、そんなふうに盛り上がるかもしれません。
でも、「勉強になる」投資を突き詰めて考えると、新NISAの「つみたて投資枠」で投資信託を買うよりも、「成長投資枠」で何か一つ、個別株に投資するほうが「勉強になる」はずです。というのも、自分が選んだ企業に投資するので、当然、その企業に詳しくなりますし、株価も気になるので、必然的に世の中の流れも感じとれるようになるからです。最近は、株主向け情報公開(ディスクロージャー)も充実していますから、特に意識せずとも様々な情報に触れることができるでしょう。
個別株を買うには、少しまとまったお金が必要になりますが、そんなときは、毎月コツコツと「つみたて投資枠」で投資の種銭(たねせん)作りをすればいいでしょう。種銭ができたら一旦売却し、「成長投資枠」で個別株を買う、まさに新NISAの特徴の一つ、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が併用可能だというメリットが活かせるのです。また、投資とは買うだけでなく、売ってなんぼの話しですから、投資経験という観点でも、「勉強になる」こと間違いなしです。
以上を踏まえると、新NISAとは、若年層が「勉強になる」投資を行う上で、とても使い勝手の良い制度だと言えそうです。そのうち、「新NISAの『成長投資枠』で御社株式に投資し、企業研究をしました!」なんてアピールする、そんな就活生も出てくるかもしれませんね(笑)。
大和証券
2023/1/27作成
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