今年5月、岸田首相はロンドン・シティの講演で
「我が国個人の金融資産は2000兆円と言われていますが、その半分以上が預金・現金で保有されています。この結果、この20年間で米国では家計金融資産が3倍、英国では2.3倍になったのに、我が国においては1.4倍にしかなっていません。ここに日本の大きなポテンシャルがあります。私は、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現いたします。そのために、NISAの抜本的拡充や国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員して『資産所得倍増プラン』を進めていきます」※
と表明しました。これをきっかけに皆さんも、新聞やTV、ネット等で「資産所得倍増プラン」という言葉を見聞きすることが多くなったのではないでしょうか。
一方で、こんな声もお聞きします。「個人の金融資産が2000兆円あると言っても、例えば、日本の人口を1億人とすると一人2000万円ってことですよね。かつての『老後資金2000万円問題』と同じですが、この数字を少し考えただけでも、『資産所得倍増プラン』なんて自分には関係ないって思っちゃいますけど……(冷笑)」と。
たしかにそうかもしれません。でも、「貯蓄がないから、『資産所得倍増プラン』は自分には関係ない」なんて思ってほしくないので、貯蓄がない人に知ってほしい、そんな「金融リテラシー」を紹介したいと思います。
先ほどご指摘があったように、「日本の個人の金融資産は2000兆円もあって……」なんて話しをされると、「貯蓄から投資」は、現役世代にとっては、なかなか自分事として考えられないことかもしれません。でも、その多くの方にとって本当に大切なのは、「所得から貯蓄」の流れや仕組みをつくることになるはずです。さらに、今や超低金利時代、預貯金だけではお金は増えませんので、「所得から貯蓄」の仕組みとして「投資」も選択肢になるのです。そのように考えれば、「貯蓄から投資」ではなくて、「所得から貯蓄=(イコール)投資」、そんな考え方が大切な時代になっているのだと思います。
そして、「資産所得倍増プラン」で制度の見直しが予定されている「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)」は、まさに、所得の一部を貯蓄するための投資制度だと言えるでしょう。さらに、「つみたてNISA」や「iDeCo」で「貯蓄=投資」を続ければ、「投資の経験」も積み立てることができますし、それがひいては、人生100年時代に不可欠な「金融リテラシー(お金の知識や判断力)の向上」に繋がっていくのです。
そんなふうに理解して、誰もが「資産所得倍増プラン」を自分事(じぶんごと)として考えてほしいですね。ご参考まで。
大和証券
2022/10/7作成
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