譲渡制限付株式とは、上場企業が役職員へのインセンティブ制度として自社株式を渡す方法の一つ。英語では、Restricted Stock(リストリクテッド・ストック)、略してRS(アールエス)と呼ばれます。日本では役員報酬としてRSの導入が進んでいますが、これからは社員にRSを渡す企業が増える、そんな肌感覚があります。というのも、最近は社員の皆さまにRSのことを説明する機会が増えているからです。
説明会では「RSとは何ぞや?」からはじめますが、中には「今まで投資したことないし、株式を渡されても困ってしまう」なんて人もいますね(苦笑)。でもそこは、我々、金融投資教育の担い手の腕の見せ所、人が投資をやらない理由を読み解きながら、社員の立場から、こんな話しをしています。
「金融庁のアンケート調査によれば、人が投資をやらない理由とは『まとまった資金がない』、『投資の知識がない』、『投資は損をしそうで怖い』の3つになるそうです。それぞれをRSの商品性に照らし合わせながら確認してみましょう」
「まずは『まとまった資金がない』。人生には結婚や出産、子育てや住宅購入、老後生活と、いろいろなお金がかかりますね。投資に回すお金がない、という気持ちもわかります。でも、RSは会社から渡されるもの、お金を出すことなく自社株式を取得できるのです。ですから、RSでは、まとまったお金を用意する必要がないのです」
「次は『投資の知識がない』。たしかに知識は大切です。知らない会社には投資できませんよね。でも、RSは勤め先の株式、知識がないなんてこともないはずです。ですから、RSとは、投資の知識がない初心者が株式投資を始めるきっかけとしてピッタリな制度だと言えるのです」
「3つ目は『投資は損をしそうで怖い』。その気持ちはわかります。でも、RSはお金を出さずにもらうもの、株価が下がっても損にはなりません。譲渡制限期間※に売ることはできませんが、配当金や株主優待を受け取れます。ですから、RSとは、会社に勤め続ければ、株式とその権利をもらうことができる、アップサイドしかない投資とも言えるでしょう」
以上、人が投資をやらない理由を確認すると、社員がRSをやらない理由は全くない、そんなことを話してます。なお、「RSとは何ぞや?」等、もう少し詳しく知りたい方は、以下の「東証マネ部!」に寄稿したコラムをご一読下さい。ご参考まで。
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2022/9/29作成
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