ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.234(2022年12月30日)投資の三大原則「長期・積立・分散」と持株会制度

岸田政権が掲げる「資産所得倍増プラン」、2022年末の策定に向け、金融庁は8月末にNISAの抜本的拡充を含めた要望案をまとめました。そのイメージは以下のとおりです。

NISAの抜本的拡充/要望案のイメージ

NISAの抜本的拡充/要望案のイメージ

なぜ、つみたてNISAの拡充が必要なのか。それは投資のリスクをコントロールしながら資産形成するコツが、投資の三大原則ともいわれる「長期・積立・分散」であり、その三大原則が誰でも簡単に実現できるのが、つみたてNISAだからです。でも、プラン策定は2022年末、法改正も必要で、来年からすぐ利用できるわけではありません。であれば、つみたてNISAを今からはじめてみる、これが「資産所得倍増プラン」を見据えて、現役世代が「いま、できる、こと」だと思います。

一方、上場企業の持株会、事務局の担当者から最近、こんな相談を受けました。「社員から投資の三大原則を引合いに出されると、持株会加入をうまく勧められない」と。でも、社員から三大原則って言葉が出てくるなんて、社内で金融リテラシーが広がりつつある証拠。この流れに掉ささぬよう、担当者の方とは、あれやこれやと、こんな話しをしました。

  • 「持株会は「長期・積立」ですが、資産の「分散」ではないですね。でも、「積立」は時間の「分散」ですから、3つの原則を実現できているとも言えるのでは?」
  • 担当者
    「少し屁理屈っぽい話しですね(苦笑)」
  • 「こんな説明はどうでしょう?資産の「分散」はリターンのブレ(リスク)を小さくしますが、実はリターンも下がります。一方、「長期・積立」は短期的なリターンのブレを吸収し、長期的に高いリターンを目指しますので、ある程度リスクを集中しても構わない、とも言えるのです」
  • 担当者
    「だから、持株会で「長期・積立」ですか!でも、それは長期的に株価が上がることが前提ですよね?」
  • 「そうですね。株価上昇は企業の成長でもあるので、金融庁のNISA拡充案、成長投資枠を持株会に見立てることもできますね。コア・サテライト戦略という投資の王道を、コア(中核投資)をつみたてNISA、サテライト(成長投資)を持株会で考えてみるのはどうでしょう?」
  • 担当者
    「つみたてNISAも流行りはじめているので、そんな説明もアリかもですね。今度、話してみますね!」
  • ※ 出所:金融庁「令和5(2023)年度税制改正要望について」(2022年8月)

大和証券
2022/9/22作成

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