ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.226(2022年11月4日)20代のお金の知恵/投資をしないという選択肢の覚悟

『証券アナリストジャーナル』の7月号の記事によれば、日本の個人投資家は、リスク資産を保有しているか否かと、投資への興味(=継続的に金融経済情報を取得)の有無で分けると、次のような3つのグループになるそうです。

① 半分はリスク資産を持ってないし興味もない
② 4分の1はリスク資産に興味はあるが持っていない
③ 4分の1はリスク資産を持っている

特に②が示唆しているのは、投資に興味があり、知識や情報を持っていても「投資をしない」人が多い、ということ。それでいて②の人は、「投資をしない」からこそ不安になっている、というのです。なんだか矛盾しているような心持ちの人に、どんなアドバイスができるのでしょうか? 少し考えてみました。

少しキツイ言い方にはなりますが、まず、「あなたは覚悟を持っていますか?」と訊ねたいですね。投資に興味をお持ちなのは、何か目的があってのこと、そのためにお金が必要だということですね。それを準備するための手段として「投資をしない」ということは、代わりに預貯金をする、ということになるでしょう。ただし、今は超低金利時代、預貯金だけではお金は増えませんから、もっと収入を増やしたり、もっと節約をして、預貯金のためのお金を捻出しなければならないのです。当たり前の話しにはなりますが、これが「投資をしない」という選択肢の裏側にある「覚悟」だと思います。

でも、「投資をしない」からこそ不安になっている、というのですから、おそらく十分なお金を預貯金に回せていないのでしょう。そんな人に「少額でもいいから投資をはじめませんか?」と言っても、「そんなことは百も承知!」と返ってくるのがオチ、投資への興味があり、知識も情報も持っているわけですからね。ですので、不安解消に力点を置いたアドバイス、具体的には「人生100年に備えるには、国の保障→勤め先の保障→自助努力の順で考える」ということを伝えたいですね。

人生100年の備え方/老後資金準備の場合

人生100年の備え方/老後資金準備の場合

上の図は老後資金準備を例にしたものですが、考え方は何ごとでも同じです。国と勤め先の保障という大きな土台を確認し不安が解消される。そして、安心感が満たされることで自助努力として「投資をする」という行動につながる。回り道のようですが、それが近道のような気がします。ご参考まで。

  • ※出所:大庭昭彦「投資教育と投資推進に関する研究の新展開」、『証券アナリストジャーナル 2022.7』

大和証券
2022/8/19作成

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