ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.195(2022年3月25日)20代のお金の知恵/「72の法則」が教えてくれること

今回はまずクイズを一つ。金融広報中央委員会が2019年に実施した「金融リテラシー調査」の問題※1です。年率を少し変更していますが、ちょっとだけ考えてみて下さい。

10万円の借入れがあり、
借入金利は複利で年率18%です。
返済をしないと、この金利では、
何年で残高は倍になるでしょうか。

  • 1.
    2年未満
  • 2.
    2年以上5年未満
  • 3.
    5年以上10年未満
  • 4.
    10年以上
  • 5.
    分からない

これはお金の増え方について、その感覚が身についているかどうかを問うている、そんな問題ですね。ご存じの方も多いと思いますが、お金が2倍になるざっくりした年数がすぐにわかる算式を「72の法則」と言います。具体的には、72÷A=Bという式で、Aに利率を入れると、元本が2倍になる年数がBになる、というわけです。

上記クイズに当てはめてみると、借入金利は年率18%ですから、72÷18=4。つまり、借入金利が18%だと、4年で残高が倍になってしまう、ということです。ですから、答えは2。皆さん、正解しましたか?

さて、この「72の法則」、資産運用で味方につければ、元本が2倍になるという話ですから、これほど頼もしいものはないですね。でも、お金を借りて敵に回すと、これほど怖いものはない、そんなことを「72の法則」は教えてくれるのです。

例えば、消費者金融でお金を借りる場合、金利は18%くらいになります。先ほどのクイズで確認したように、借金がわずか4年で2倍になってしまうのです。返済負担の大きさが感覚的に理解できるのではないでしょうか。

「いやいや、僕は(私は)消費者金融でお金は借りないよ」とおっしゃる方も多いかもしれませんね。でも、皆さんがよく使っているクレジットカードも、経済行為としては借金と同じこと。念のため、金利面からクレジットカードの手数料を確認してみましょう。※2

クレジットカードの手数料)

特に、リボ払いは、いくら買い物をしても、毎月の返済額が一定なので、手取りが少ない20代の皆さまにとっては、とても魅力的なサービスに映るかと思います。でも、返済額が毎月一定だと言うことは、借金がなかなか減らず、返済負担が大きくなりがち、ということでもあります。「クレジットカードを使うな!」とは言いませんがが、少なくとも使う前に手数料(金利)は確認したほうがいい、そんなことも「72の法則」は教えてくれているのだと思います。ご参考まで。

  • ※1 出所:金融広報中央委員会、『「金融リテラシー調査 2019年」の結果』、p.49(年率を20%から18%に変更)
  • ※2 出所:金融経済教育推進会議、「金融リテラシーとライフデザイン~人生、お金、金融知識」、p.54

大和証券
2022/1/14作成

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