ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.179(2021年11月26日)老人の日に思う、8050から9060、そして10070?

9月15日は「老人の日」、百歳を迎える高齢者に内閣総理大臣からお祝い状と記念品(銀杯)が贈呈されます。今年表彰される対象者(43,633人)を含め、現在、百歳以上の高齢者は86,510人もいらっしゃるそうです※1。これは過去最多の水準で、しかも毎年増え続けています。まさに、「人生100年時代」ということですね。

そんな「老人の日」の当日、私と妻は義父の退院手続きで大学病院を訪れました。実は特養にお世話になっていた義父が右足大腿骨骨折で緊急入院していたのです。でも、介護タクシーには本当に助けられました。これまで、持病持ちの義父が通院するときは普通のタクシーを利用していました。今回は車イスでの送迎が必要で、いつもと勝手が違います。はじめて介護タクシーを利用しましたが、車の装備自体が車イスの送迎用になっていることはもちろん、それ以上に、運転手さんの要介護者に寄り添う手際の良さや優しさの中に、ある意味、「介護のプロ」というものを感じました。

病院から特養に義父を送り届けた後、特養スタッフの皆さんと今後の義父の生活について打合せをしました。相談員にケアマネさん、そして看護師さんは、義父を本当に親身になってケアしてくれます。今年の「老人の日」、義父と私と妻の3人は、介護タクシーの運転手さんを含め、「介護のプロ」に支えられているんだなぁ〜、と感謝の念を新たにした一日でもありました。

ところで、我が家の介護は、80代の義父と50代の私と妻、言わば、「8050」の関係です。引きこもりの高齢者問題ではありませんが、介護の典型的な年代パターンですね。義父は退院したばかりで予断を許さない状況ではありますが、これからも「介護のプロ」の力をお借りしながら、もう一つのパターン、「9060」を目指していくのかなぁ〜、とも思います。

要介護者等と同居の主な介護者の年齢階級構成割合※2

要介護者等と同居の主な介護者の年齢階級構成割合

そう言えば、私の父方の祖母は大正10年(1921年)生まれ、まさに今年の百歳高齢者表彰の対象者です。今、祖母の面倒をみてくれているのが、70代の叔父と叔母ですから、言うなれば、「10070」ですね。あまり想像したくはありませんが、親の介護と配偶者の介護を同じ時期に経験する、そんなダブル介護の時代が来るのかもしれません。そして、「介護のプロ」がますます求められる時代になる、そんなことにも思いを馳せた、今年の「老人の日」でした。

  • ※1 出所:厚生労働省プレスリリース「百歳高齢者表彰の対象者は43,633人」(令和3年9月14日)
  • ※2 出所:厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」(令和2年7月17日)

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2021/9/17作成

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