「お宝保険」って聞いたことがありますか?諸説あるようですが、いわゆる“バブル期”の昭和60年から平成2年くらいの間に契約した生命保険のことを指すようですね。当時は今よりも金利水準が高く、保険料設定に使う予定利率も高かったので保険料が安かったのです。つまり、今ではあり得ないほど安い保険料で保険が契約できた、という訳です。そして、超低金利が当たり前になった今、“バブル期“の保険が「お宝保険」と呼ばれているのです。
私は“バブル期”が終わってから社会人になりましたが、そう言えば新入社員の頃、損保に勤める大学の先輩から薦められ、年金払積立傷害保険に入ったことを思い出しました。毎月1万円、給与天引きで15年間積み立て、事故による重度障害や死亡の場合は給付金が出て、事故に遭わなかった場合は積立期間終了後に5年間、毎年50万円ずつ受け取ることができる、こんな商品でした。
払込の保険料総額は1万円×12ヶ月×15年で180万円、年金の受取総額は50万円×5年で250万円になりました。積立保険商品を比較する時によく出てくる返戻率(受取率とも言います)を計算すると250万円÷180万円で139%!円建の積立保険商品の返戻率は、今や良くても100%を少し超えるくらいですから、私が持っていた年金払積立傷害保険も「お宝保険」の部類に入るでしょう。
さて、返戻率は受取総額を保険料総額で割るだけですので、誰にでも計算できて分かりやすい数字ですが、他の金融商品と比較できないのが難点ですね。こんな時は利回りを計算できればいいのですが、積立保険商品の利回り計算は単純ではありません。そこで、以下では利回り計算の一つの考え方を少しだけご紹介することにしましょう。
積立保険商品の利回りを計算する一つの考え方
つまり、考え方としては、ファイナンシャル・プランナー(FP)の勉強でよく出てくる年金終価係数と年金現価係数の組合せで計算できるのです。計算はややこしいのですが、エクセルで計算させると年率で3.25%になりました。利回り的にも十分、「お宝保険」と言えそうですね。
そんな私の「お宝保険」、今はもうありません。ちょうどリーマンショックの頃、家計の足しに有難く受け取ったのです。利回りを確認して、今、ちょっと後悔しています(苦笑)。。。
大和証券
2020/9/24作成
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