ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.61(2019年8月9日)がんの5年生存率と正しい知識を理解することの大切さ

がんは日本人の死因の第一位であり、2018年にがんでお亡くなりになった方は38万人、がんにかかった方は101万人と推計※1されています。がんは身近な病気ですが、がんは怖いから考えたくない、という方も多いでしょう。「3割の人ががんになったら仕事を辞めなくてはいけないと考えている※2 」のも、がんという病気の理解不足が一因だと思います。私はがんの経験はありませんが、がんについて、まず理解すべきことは、

  • がんは「不治の病」ではなく、「長く付き合う病気」
  • だからこそ、がん検診による早期発見が大切

ということだと思っています。そこで今回は、がんの基礎知識として、その最新データを確認してみましょう。

がんにかかるリスクとがんで死亡するリスク※1

  • 男性、女性ともに、おおよそ2人に1人が一生のうちにがんと診断される
    (2014年の罹患・死亡データに基づく)
  • 男性ではおおよそ4人に1人、女性ではおおよそ7人に1人ががんで死亡する
    (2017年の死亡データに基づく)

こうしたデータは、まさに「がん=死」をイメージさせるものですが、かかるリスクと死亡するリスクを比べると、「がんにかかる=がんで死亡する」という訳ではないこともお分かりいただけると思います。例えば、がん完治の目安とされる5年生存率は、今や全がん平均で6割、早期発見なら9割となっているのです。

がんの5年生存率※1(2006〜2008年診断例)

がんの5年生存率(2006〜2008年診断例)

がんを部位別にみると、胃、大腸、肺、乳房、子宮は死亡者数が多く、「5大がん」と言われています。5年生存率も進行度別の生存率も全がん平均とほぼ同じかそれ以上の水準ですが、肺がんの生存率の低さが目立ちますね。早期発見が難しいがんだとも言えますが、そんな肺がんでも早期発見できれば生存率は8割なので、とにかく早期発見です。だからこそ、人間ドックや自治体が実施するがん検診の受診が、「いま、できる、こと」として大切になることもお分かりいただけるでしょう。

「怖いから…」という理由を探っていくと、「知らないし、分からないから」という本音に辿りつくことがよくあります。「投資は損しそうで怖いからやらない」という人も同じ傾向がありますが、怖いままで手をこまねいているのではなく、正しい知識を理解することが、「いま、できる、こと」に繋がることも覚えておいて下さい。

  • ※1 出所)がん研究振興財団「がんの統計'18」
  • ※2 出所)国立がん研究センター「がんになっても安心して働ける職場づくりガイドブック」
  • ※3 (1)がんが原発臓器のみ、(2)がんが隣接臓器等に浸潤しているが遠隔転移なし、(3)がんが遠隔臓器等に転移、浸潤あり

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2019/5/31作成

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