ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.23(2018年11月9日)健康保険と先進医療/先進医療特約がお手頃な理由

前回ご紹介したように、現役世代にとって健康保険等の公的医療保険はとても有難い制度ですが、例えば、入院時の食事代の一部や患者が希望した場合の差額ベッド代は健康保険の対象外です。また、ガンの治療でも注目されている先進医療の技術料も全額自己負担になります。今回は健康保険と先進医療の関係を整理してみましょう。

まず、先進医療とは厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療であり、今後、健康保険の対象になることが検討されている技術を指します。そして、医療費の自己負担について、健康保険と先進医療の関係は以下のようになります。

健康保険と先進医療の関係

そして、留意すべきは、先進医療は厚生労働省が定める治療方法に限定されている点です。具体的には2018年8月1日時点で93種類※1になります。例えば、ガンに有効な治療方法は日々、世界中で開発されていますが、厚生労働省に先進医療と認められるまでは自由診療となるため、健康保険を適用する治療との併用が認められません。この「併用が認められない」とは、自由診療分のみならず、通常なら健康保険が適用される治療分も含めて自己負担になる、ということです。つまり、自由診療の自己負担は以下のようになるのです。

自由診療の自己負担

さらに、先進医療は治療方法が限定されているだけでなく、その治療方法ごとに厚生労働省が定める病院で行われるものに限定されている点にも留意すべきでしょう。例えば、93の先進医療のうち、24種類は日本全国に実施可能な病院がそれぞれ1施設しかありません※2。また、都道府県別では、東京や大阪では先進医療が実施可能な病院が100以上ある一方で、その数が一桁しかないところも十数県あります※2

今後、そうした病院の数も増えていくと思われますが、「いま、できる、こと」としてご認識いただきたいのは、先進医療は「いつでも、どこでも、誰でも受けることができる治療ではない」という事実です。そして、「民間の医療保険に月100円程度のわずかな負担で先進医療特約をつけることができる」のは、そうした事実を反映しているとも言えるのです。

  • ※1 出所:厚生労働省HP「先進医療の概要について」
  • ※2 厚生労働省HPをもとに筆者が確認(2018/8/20時点)

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2018/8/31作成

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