これまで2回にわたって、子どもの教育費について「親の負担が増えている」という話を紹介したところ、当コラムの読者からお叱りをうけました。
「子どもの教育費のことを、親からみた“負担”という観点で紹介しているが、私は自分の息子が通う学校の授業料等を“負担”だと考えたことは一度もない。“負担”という言葉で、読者の不安感を煽ろうしているのではないか?」
う~ん、おっしゃる通り、子を持つ親の気持ちからすると、「子どもの教育費は“負担”」という表現は適切ではなかったかも知れません。これまでの自分自身の子育てを振り返っても、ご指摘はごもっとも、と反省しております。そして、改めて、親の立場から子どもの教育費をどのように捉えればいいのだろうか、と考えてみました。こんな感じでどうでしょうか?
「子どもの教育費とは、子どもの将来の可能性や選択肢を広げるための“投資”である」
なお、「不安感を煽る」というご指摘については、そうした側面がない訳ではありませんが、ニュアンスが少し違います。より正確には、「健全な危機感を持っていただきたい」というのが私の思いです。
さて、子どもの教育費を“投資”と捉えた場合、大学卒業までの総投資金額はどの程度になるのでしょうか?
子どもの教育費の目安※1
ご覧のように、すべて公立の場合で785万円、すべて私立の場合は2,300万円を超える“投資”になります。また、私立幼稚園→公立小学校→公立中学校→私立高校→私立大学という進学プランを一つの典型的なパターンだとすれば、そのトータルは1,325万円となり、子どもが2人の場合は、その倍の金額になる、という訳です。
最後に「子どもの教育費が“投資”なら、そのリスクとリターンは?」と、こんな質問があるかも知れませんが、たぶん答えは色々でしょう。例えば、「子どもが自分の老後の面倒をみてくれるかどうか?」と考える方もいれば、「子どもが元気ならそれで十分(それこそが最大のリターンだ)」という方もいらっしゃるでしょう。ただし、親子関係を損得勘定で論じるのもいかがなものかと思いますので、このリスクとリターンは少し曖昧にしておくのが“親心”なのかも知れません。
大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2018/7/6作成
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