ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.13(2018年8月31日)教育費負担が増えている、という謎/幼稚園から高校までの場合

子どもの教育資金は、住宅資金、老後資金と並んで人生の三大支出といわれています。本コラムvol.6でもご紹介しましたが、ライフプランニングを考えるうえで、おさえておくべき教育資金の特徴は、(1)子どもが生まれた時点で資金が必要になる時期が確定し、(2)子どもの成長につれて負担額が加速度的に増えていく、の2点だと言われています。今回は文部科学省の調査結果※1をもとに、幼稚園から高校までの学習費総額※2で、その特徴を確認してみましょう。

学校種別の学習費総額
(1年間・子ども一人当たり)

学校種別の学習費総額

  • ※1 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」(2017/12)
  • ※2 「学習費総額」とは、学校教育費(入学金、授業料、遠足・修学旅行代、通学費など)、学校給食費、学校外活動費(学習塾、習い事など)の合計
  • ※3 幼稚園、中学校、高等学校は3年間、小学校は6年間の合計

さて、教育資金の特徴のうち、(1)は当たり前のことですから、おいておくとして、(2)の「負担額が加速度的に増えていく」というのはどういうことでしょうか?一見すると、例えば、公立であれば進学ごとに徐々に負担は増すものの、「加速度的に」というレベルではないように思えますし、私立の場合、逆に小学校が教育費負担のピークになっています。なぜ、「加速度的に増えていく」ということになるのでしょう?

これはおそらく、私立学校に通う子どもの割合を考えると、その謎が解けます。つまり、小学校、中学校、高校と子どもの成長につれて、進学プランとして私立学校を選択する方が増え、教育費負担が加速度的に増える、ということなのです。

私立学校に通う子どもの割合※4

私立学校に通う子どもの割合

  • ※4 文部科学省「平成28年度(平成6年度)学校基本調査報告書」

なお、「昔に比べて教育費が高騰している」との指摘もありますが、過去20年間の文部科学省の調査結果をみても、幼稚園から高校までに限れば、それほど大きく増えている訳ではありません。「昔に比べて教育費負担が増えている」というのも実は「私立学校に通う子どもの増加」が理由だと思います。

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2018/6/22作成

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