現物取引
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デュアル指値について

  1. 1.デュアル指値注文の利用目的
  2. 2.デュアル指値注文の利用例
  3. 3.デュアル指値注文の注文方法
    •  当初注文
    •  条件株価
    •  条件合致後の注文
  4. 4.買付余力・担保余力の管理
  5. 5.条件合致の判定
  6. 6.注文状況と取消・訂正
  7. 7.注文の失効
  8. 8.その他

デュアル指値注文は、当初は指値注文を発注し、あらかじめ設定した条件株価に達した場合、発注済み指値注文の執行条件(寄付/引け/不成)と注文単価(指値/成行)を自動で訂正する注文です。

1.デュアル指値注文の利用目的

(1)リスクコントロール

現物株式の売付注文・信用取引の返済注文の場合、

  • ・利益確定の注文と損切りの注文(利益を得たいが、下落する場合は損切りを行いたい)
  • ・大きい利益確定の注文と小さい利益確定の注文(大きな利益を得たいが、下落する場合は小さな利益でも確定したい)
  • ・小さい損失での損切り注文と大きい損失での損切り注文(小さい損失に抑えたいが、下落する場合は大きい損失であっても損切りしたい)

などを同時に行うことができます。

(2)トレンドフォロー(タイミングを逃さない)

現物株式の買付注文・信用取引の買建注文の場合、安い値段で買いたい一方、株価が一定の値幅を超えて上昇する前に買っておきたい場合に、安い値段を狙いつつ、一定の株価上昇時には指値を上方修正することができます。
信用取引の売建注文の場合、高い値段で売りたい一方、株価が一定の値幅を超えて下落する前に売りたい場合に、高い値段を狙いつつ、一定の株価下落時には指値を下方修正することができます。

日中、相場を見続けることが難しい方に適しています。

2.デュアル指値注文の利用例

デュアル指値注文の利用例<売りの場合>
<売りの場合>

Aさんは、株価が上がると考え、現在240円のB社株に対し、255円で売付注文を出すことに決めました。
相場の下落も心配ですが、一日中相場を見ているわけにはいきません。もし相場が210円以下に下落した場合はすぐに損切をしたいと思い、「指値255円(=利益確定)」の当初注文に「条件株価210円以下、条件合致後は成行(=損切り)」の訂正条件をつけたデュアル指値で売却注文を注文しました。
当初は「指値255円」の注文が発注されましたが、その後株価が下がって210円以下になったため、条件合致し、指値255円は「成行」に自動訂正されました。
その結果、Aさんは210円で売却することになりましたが、相場はその後さらに下落したので、損失の拡大を回避することができました。


デュアル指値注文の利用例<買いの場合>
<買いの場合>

Cさんは、現在値200円のD社株を指値195円で買いたいと考えました。
株価が220円以上になったらさらに上昇する可能性があるので、トレンドに合わせて指値を210円まで訂正しようと考えています。
そこで当初注文「指値195円」で「条件株価220円以上、条件合致後の指値210円」の訂正条件をつけたデュアル指値の買付注文を入力しました。
これにより、相場が上昇・下降どちらに向かっても買い逃す確率が低くなりました。

3.デュアル指値の注文の注文方法

当初注文

当初注文とは、デュアル指値注文において最初に発注する指値注文です。
条件株価を指定することで、株価(もしくは気配値)が条件株価に到達すると、条件合致後の注文に自動訂正されます。

  • ※当初注文の場合、執行条件は「なし」、単価は「指値」に限定されます。「寄付」などの執行条件や、「成行」を選ぶことはできません。

当初の指値の呼び値と値幅には『「呼び値の単位」および「値幅制限」一覧表』のとおりの制限が適用されます。

条件株価

条件株価とは、株価(もしくは気配値)がその価格に到達したときに条件合致となる価格のことです。
条件株価に呼び値と値幅の制限はありません。
買付(買建・買埋を含む)注文の場合、当初の指値より低い条件株価を設定することはできません。
売付(売建・売埋を含む)注文の場合、当初の指値より高い条件株価を設定することはできません。

条件合致後の注文

条件合致後の注文とは、デュアル指値注文の条件株価に株価が到達した際に、自動的に訂正された注文です。
条件合致後の注文は、執行条件(指定なし/寄付/引け/不成)、単価(指値/成行)を選ぶことができます。
条件合致後の注文における指値の呼び値と値幅には『「呼び値の単位」および「値幅制限」一覧表』のとおりの制限が適用されます。

  • ※条件合致後の執行条件で、「寄付」「引け」「不成」を選んだ場合には、当日注文のみを受付けます。期間指定注文を選ぶことはできません。

4.買付余力・担保余力の管理・買付概算金額

現物株式の買付注文、または信用取引の新規建注文(買建・売建)の場合、「当初の指値」と「条件合致後の単価(指値/成行)」のうち高いほうの単価をもとに買付余力・担保余力の計算を行い、それ以上の余力が無い場合は注文不可とします。

  • ※条件合致後の単価を「成行」とした場合は値幅制限の上限の単価で計算されるのでご注意ください。
<取引例>
<取引例>

時価が950円の時に、当初注文を指値900円で、株価が1,000円以上になったら指値を990円に訂正する。
1,000株買付のデュアル指値注文を発注する場合に、必要な買付余力は990円×1,000株+手数料相当額となります。

<デュアル指値注文が受付けられない事例>
  • (例1)前日終値500円の銘柄に対し「当初注文が指値480円、株価が550円以上になったら、条件合致後の注文の指値650円に訂正する」注文
    ⇒ 条件合致後の指値(650円)が、値幅制限の上限(前日終値500円の値幅は100円であり600円となる)を超過しているため受付けられない。
  • (例2)買付余力が55万円であり、前日終値500円の銘柄を、「1,000株の買付注文で、当初注文が指値490円、株価が550円以上になったら、条件合致後の注文を成行に訂正する」注文
    ⇒ 条件合致後の注文が成行であり、値幅制限の上限(前日終値500円の値幅は100円であり600円となる)で算出した概算買付代金は60万円+手数料相当額となるため、買付余力不足により受付けられない。

5.条件合致の判定

(1)条件合致タイミング

注文受付後、システムに条件株価が登録された時点から、市場の株価との照合を開始します。
あらかじめ指定した条件株価に市場の時価が合致した時に、条件合致後の注文の内容に当初注文の内容を訂正します。

買付(買建・買埋を含む)注文 市場の時価と条件株価を比較し、市場の時価が条件株価以上となった場合に、条件合致後の「執行条件」「単価」に注文が訂正されます。
売付(売建・売埋を含む)注文 市場の時価と条件株価を比較し、市場の時価が条件株価以下となった場合に、条件合致後の「執行条件」「単価」に注文が訂正されます。
  • ※午後の立会時間終了後に取引所から配信された時価では条件合致の判定を行いません。
    期間指定注文の場合は、条件合致が「未」の状態のままとなり、翌日は当初の注文のまま発注されます。
  • ※午後の立会時間終了直前に条件合致して、市場に発注した訂正注文が市場で取引時間外と判定された場合は、条件合致後の注文訂正は失効します。
    期間指定注文の場合は、条件合致が「済」の状態となりますが、翌日は当初の注文のまま発注されます(注文詳細画面に「訂正失効」と表示されます)。

(2)市場の時価

市場の時価情報は現在値および出来高または特別気配(注)および気配値数量を管理し、条件合致の判定を行います。
条件合致の判定基準は次のとおりです。

株価 出来高/
気配値数量
条件合致判定 説明
時価:変化あり 出来高:
増加
時価が変化しているので、市場で時価が発生したとみなして、条件株価に達した場合は、条件合致後の注文に訂正します。
時価:変化なし 出来高:
増加
時価は変化していませんが、出来高が増加しているので市場で時価が発生したとみなして、条件株価に達した場合は、条件合致後の注文に訂正します。
出来高:
変化なし
× 時価および出来高が変化していないので、市場で時価が発生したとみなしません。
特別気配:変化あり 気配値数量:
変化あり
特別気配が変化しているので、市場で時価が発生したとみなして、条件株価に達した場合は、条件合致後の注文に訂正します。
特別気配:変化なし 気配値数量:
変化あり
特別気配は変化していませんが、気配値数量が変化しているので市場で時価が発生したとみなして、条件株価に達した場合は、条件合致後の注文に訂正します。
気配値数量:
変化なし
× 特別気配および気配値数量が変化していないので、市場で時価が発生したとみなしません。
  • ※条件合致に判定する時価は、東証における時価です。

6.注文状況と取消・訂正

(1)デュアル指値注文の取消

条件合致前後に関わらず、デュアル指値注文の取消を行えます。

(2)デュアル指値注文の訂正

条件合致前後に関わらず、デュアル指値注文の訂正を行えます。
条件合致前は、「当初注文」「条件株価」「条件合致後の注文」のいずれかの部分に対する訂正が可能です。
複数の部分を同時に訂正することはできませんので、1つずつ訂正いただくか、注文を一旦取消していただき、訂正した内容で再発注してください。

  • 「当初注文」部分については「執行条件(なし/寄付/引け/不成)」「注文単価(指値/成行)」の訂正が可能です。
  • 「条件株価」部分については「条件株価」の訂正が可能です。
  • 「条件合致後の注文」部分については「執行条件(なし/寄付/引け/不成)」「注文単価(指値/成行)」の訂正が可能です。

条件合致後は、「執行条件(なし/寄付/引け/不成)」と「注文単価(指値/成行)」の訂正が可能です。

  • ※数量・有効期間についての訂正は受付けいたしません。
  • ※期間指定注文の場合、「当初注文」部分の「執行条件」の訂正は受付けいたしません。

7.注文の失効

以下のような場合、期間指定注文は失効します。

  • ・当初注文の注文単価と条件合致後の注文単価のいずれか一方でも制限値幅を超過した場合
  • ・当初注文の注文単価と条件合致後の注文単価のいずれか高い方の単価をもとに計算した概算金額以上の買付余力・担保余力が無い場合
    (条件合致後の注文に「成行」が指定されている場合、立会終了後に公表される基準値の値幅制限の上限値をもとに概算金額が計算されます)
  • ・その他の失効事由については「期間指定注文について」を参照

注文が失効した場合、「期間指定注文の失効通知メール」をお申込みであれば、メールでその旨が通知されます。
メールサービス「期間指定注文の失効通知メール」は以下のメニューからご登録ください。
ログイン直後のページ>ピックアップ欄の「メールサービス」

8.その他

前引け・大引けの直前で、デュアル指値注文の対象銘柄の株価が当該注文の条件株価に到達しても、当該注文は条件合致にならない場合がありますのでご注意ください。