前回、年金全般のお話をさせていただきましたが、年金積立金の管理や運用はどのように行なわれているかご存じでしょうか?今回は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)にスポットをあててお話させていただければと思います。
GPIFは、年金積立金の管理・運用を行ない、その収益を国庫に納付することにより、年金財政の安定に貢献する組織です。もう少しわかりやすくご説明しますと、これまで現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いなどに充てられなかったお金を年金積立金として預かり、将来世代のために運用して増やすというお仕事をしている機関です。
昨今の少子高齢化現象は皆さんもご存知だと思いますが、GPIFは将来の現役世代の保険負担が大きくなりすぎないように、年金制度における工夫のほか、運用する年金積立金も活用しています。
それでは、実際にGPIFはどのように積立金を運用しているのかを確認していきましょう。GPIFは安定的に収益を得ていくために、『長期分散投資』を基本として年金積立金の運用を行なっています。運用の期間が長くなるほど、プラスとマイナスが互いに打ち消しあうことで、年率平均の収益の振れ幅を小さくする効果が期待できます。様々な資産を長期にわたって持ち続ける「長期運用」によって、安定的な収益を得ることを目指しています。
また、「分散投資」についてですが、毎年、1位になる資産を当て続けることができるならば、とても大きな運用益が得られるでしょう。しかし、実際には、値上がりの大きい資産は毎年のように変化します。大きな損失を避け、安定した運用益を得るためには、様々な資産に分散投資することが重要となります。ゆえに、投資対象を国内債券・国内株式・外国債券・外国株式の主要な4資産に分散投資し、基本ポートフォリオに従って運用を実践しています。
最後に、2025年度の運用状況をみていきましょう。2025年度第1四半期(4月~6月)は、米国による相互関税導入に伴う景気減速等への懸念から国内外の主要株式指数は一時大幅に下落して年初来安値をつけた時期でした。その後の相互関税の一部導入の延期や税率の引き下げを好感したことから主要株式数は上昇した相場環境でありました。運用資産全体の運用実績はプラス4.09%となっております。
日本の未来を支えるための公的年金。そのお金の一部をGPIFはこのように運用して将来世代の暮らしを支えられるよう日々活動しています。
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