ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.357(2025年7月11日)新NISA元年を振り返って

2024年に抜本的拡充・恒久化により大きく知名度を上げた新NISA(少額投資非課税制度)ですが、皆さん、利用されていますでしょうか?先日、日本証券業協会より新NISA白書2024が発刊されましたので、ご紹介します。同白書では、新NISA利用状況やアンケート調査結果を踏まえた個人投資家の動向が紹介されており、今回は、新NISA誕生後1年間における利用状況をみていくことにします。

【口座数】

2024年12月末時点で約2,559万口座に達しました。2024年度の1年間の増加数は434万口座であり、2023年の増加数324万口座と比較して1.3倍になっています。年代別では、NISA制度開始年の2014年12月末時点では60歳代以上が過半数を占めていましたが、年々若年層の割合が高まり、2024年12月末時点では、40歳代以下で約半数となりました。また、普及率でみるNISA口座は約24%と推計され、30歳代は約34%と最も高くなっており、20~60歳代の普及率はそれぞれ20%を超えています。

【買付額】

累計買付額の推移は、2023年12月末時点で35.3兆円、2024年12月末時点で52.6兆円と、約1.5倍に増加しています。単年ベースの買付では、2024年の1年間で17.4兆円と2023年度比3.3倍にまで増加しています。買付分布をみると、成長投資枠・つみたて投資枠合計では、買付額0~60万の口座が54%を占め最も高いです。投資枠別では、成長投資枠で200~240万円が約38%と最も高く、つみたて投資枠では、40万円以下が半数を超える結果となっています。

【残高】

2024年12月末時点で34.4兆円と、前年同期比約16.0兆円の増加となりました。2024年は、値動きの激しい1年間でしたが、振り返ってみると、ほぼ倍増という結果になりました。

いかがでしたでしょうか?昨年は、8月5日に1日で日経平均が12.4%も下落するなど、歴史に残る値動きが幾度もありながらも、今や30歳代では3人に1人が口座を開設しており、資産形成の基本ツールになりました。今年に入ってからも、引き続き値動きが大きい場面に遭遇しますが、新NISAの“非課税期間が一生涯”という特徴が活きてくると思います。

次回は、個人投資家のNISAをめぐる動向について紹介させていただく予定です。

  • 出所:新NISA白書(日本証券業協会)

大和証券
2025/7/1作成

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