人生100年時代のお金の誤算※1の第1位は「介護費用の負担が重い」。前回は、介護未経験者が考える介護費用が、平均で3,000万円になるとご紹介しました。だから、介護費用の負担が重いと感じるのかもしれませんが、早計は禁物です。というのも、結論から申し上げれば、介護未経験者が考える介護費用と、介護経験者による実際の金額には大きな隔たりがあるからです。今回は、介護経験者による介護費用の実態を確認したいと思います。
前回と同じ調査※2で、介護経験者を対象とした介護費用の調査結果を整理すると、以下のようになりました。
介護費用/初期費用と月々の費用*
さて、初期費用も月々の費用も、かなりの幅がある点は、前回の介護未経験者の見積りと同じです。大きく違うのは平均金額。初期費用だと、未経験者の見積りが234万円、経験者の回答が74万円、月々の費用では、前者が15.8万円、後者が8.3万円。いずれにせよ、未経験者と経験者とでは、大きなギャップがあるのです。これは実は、介護期間も同様で、未経験者の平均は181.2カ月(15年1カ月)ですが、経験者の平均は61.1カ月(5年1カ月)なのです。
世帯主/配偶者が要介護状態となった場合の必要期間
つまり、介護経験者による介護費用の実態は、平均で初期費用74万円に月々の費用8.3万円×介護期間61.1カ月を加えると581万円。約600万円ですから、未経験者の約3,000万円と比較すると、1/5の水準なのです(驚)。
もちろん、介護は人それぞれ、平均の600万円では心もとないケースもあるでしょう。でも、過度な負担を目の当たりにして、手をこまねいているくらいなら、まずは経験者の平均費用を目安に土台づくりに着手する、これが介護に備えるために「いま、できる、こと」としてのおススメです。ご参考まで。
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2024/6/21作成
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