ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.177(2021年11月12日)3連発でお届けする、「iDeCoファースト」な理由

先日、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの宮﨑、ソト、牧の3選手が、夏の夜空に3者連続ホームランを放ちました!立て続けに見事な3本ものホームランを目の当たりにすると、敵味方に関わらず、スカッとしたいい気分になるものですね。

話は変わって老後資金準備。iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)にもホームラン級の税制メリットがあります。私は常々、現役世代はまずiDeCo、つまり、「iDeCoファースト」だと思っています。今回は、3者連続ホームランにあやかって、「iDeCoファースト」な理由を3連発でお届けしましょう。

「iDeCoファースト」の1発目、それは積み立てるときの全額所得控除のメリットです。所得税と住民税を収めている人なら、誰でも必ず得をします。最低でも積立金の15%が戻ってくる、そんな風にも言えるでしょう。今のご時世、「必ず15%儲かりますよ」は金融詐欺を疑うべきですが、iDeCoは国が作った制度ですので大丈夫。そして、税金の戻りを考えると、金融の世界ではありえない「ローリスク・ハイリターン」も実現できる、そんな制度がiDeCoなのです。必ず得をするのなら、早く始めたほうがいいですよね。ですから、老後資金準備を考えるなら、「iDeCoファースト」だと思うのです。

「iDeCoファースト」の2発目、それは運用するときの運用益非課税のメリットです。儲かった人が得をします。でも、儲かるか儲からないかは将来の話。我々が「いま、できる、こと」は、儲かりそうなものは、まずはiDeCoで考える、ということです。例えば、株式投資信託に投資するなら、課税される口座ではなく、まずは運用益非課税のiDeCoを利用すべきだと思います。ですから、儲かりそうなものの置き場所を考えるなら、「iDeCoファースト」だと思うのです。

「iDeCoファースト」の3発目、それはiDeCoを一時金で受け取るときの退職所得控除のメリットです。iDeCoを一時金で受け取ると、退職所得は以下の式で計算されます。

退職所得=
(iDeCo一時金−退職所得控除)×1/2

控除と1/2のダブル効果で税金はかなりお安くなりますが、気を付けなきゃいけないのはiDeCoと退職金を受け取る順番。iDeCoを一時金で受け取ると、その年を含め15年さかのぼって他に退職金があると退職所得控除が調整され、税金のお得度合が薄まるのです。普通の退職金はこのさかのぼりが5年なので、iDeCoを受け取った翌年から数えて5年後に退職金、これが一番お得なパターンです。ですから、退職金を受け取るなら、「iDeCoファースト」だと思うのです。

なお、退職金の受取時期は自分ではコントロールできないもの、最後の「iDeCoファースト」は難しいかもしれませんね。でも、税制上で何がお得か、知っておいて損はないでしょう。「iDeCoファースト」の3連発、ご参考になれば幸いです。

  • ※所得税法上、正確には「その年の前年以前14年内」という言い方になります。なお、2022年4月、確定拠出年金の給付を75歳まで繰り下げて受給できるようになること(現状は70歳まで)に伴い、「14年内」は「19年内」に変更されます。

大和証券
2021/9/3作成

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