ライフスタイルが多様化している人生100年時代にあっては、「平均値を見ても自分には当てはまらない」という人が多くなっています。でも、平均値が参考にならないとすれば、我々現役世代は何を当てにライフプランを考えればいいのでしょうか?今回はそんなお話です。
ライフプランニングにおける平均値の代表選手は「平均寿命」、男性で81.4歳、女性で87.4歳ですね※1。でも、この「平均寿命」で人生100年のライフプランを考えてはいけません。なぜなら、平均ですから、ざっくり言えば、2人に1人は「平均寿命」よりも長生きするからです。言い換えると、2人に1人は長生きリスクに直面してしまうのです。ですから私はいつも「2人に1人ではなく、4人に1人の年齢で考えてみませんか?」とお話ししています。具体的に申し上げると、男性の27.2%は90歳まで、女性の26.7%は95歳まで長生きします※1。つまり、4人に1人で考えると、男性なら90歳、女性なら95歳がライフプランを考える目安になるのです。これが人生100年に備えるための「4人に1人」の法則です。
「なるほど!それでは、90歳や95歳まで長生きすることを前提に老後資金を準備すればいいんですね?」
おっしゃっていることは間違いではありませんが、実はこれだけでは人生100年の備えが万全だとは言えません。死ぬまで元気で長寿を全うできればいいのですが、なかなかそうはいきませんよね。いわゆる「健康寿命」は男性で72.14年、女性で74.79年※2ですが、問題はこの平均値自体ではなく、死ぬまでの寿命と「健康寿命」に差があること。そして、この差は何かと言うと、ガンの治療を行っていたり、介護が必要な期間なのだと思います。つまり、人生100年だからこそ、ガンや介護が備えるべきライフイベントになっているのです。
このガンと介護について、「4人に1人」の法則を当てはめるため、それぞれの統計数値を調べてみました。ご覧ください。
ガンと診断される人の割合※3
要介護・要支援と認定される人の割合※4
4人に1人以上がガンと診断されるのは、男女とも70代ですね。一方、4人に1人以上が要介護・要支援と認定されるのは、男性が80代後半、女性は80代半ばくらい。ですから、ガンは70代、介護は80代が備えるための一つの目安になるのです。こんな風に「4人に1人」の法則を使えば、人生100年を考える第一歩が踏み出せるのではないでしょうか。
大和証券
2020/11/6作成
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