「投資のリスクとは、損をすること」という解釈は、金融の世界では非常識ですが、あえてこの一般常識から「損をしそうで怖いから」という理由で投資に躊躇している人へのメッセージを考えてみました。第2回目の今回は「損をしないためにはどうすればいいのか?」、これを一緒に考えていきましょう!
損をしないためには、どうすればいいのでしょうか?言うは易し、行うは難しですが、「安く買って、高く売る」という投資の大原則ができればいいわけです。まずは「安く買って、高く売る」の「安く買って」を考えてみましょう。
さて、安いとか、高いとかを判断するには、どうすればいいでしょうか?
投資の専門家は、投資する資産の「価値」を知ればいいと言います。その「価値」を基準に、それを下回る「価格」であれば安い、上回る「価格」であれば高い、ということです。資産の「価値」を知り、「価格」がこれを下回ったときに買うのが、「バリュー投資」と呼ばれる投資アプローチです。「バリュー投資」で安く買うことができれば、投資で損をしないようになるはずです。
でも、投資の専門家でなければ、資産の「価値」を正確に知ることはできません。実はバリュー投資家として世界的に有名なバフェット氏でさえ百戦百勝ではないのです。投資初心者は言わずもがなでしょう。
では、資産の「価値」がわからないなら、「バリュー投資」はできないのでしょうか?そんなことはない、と私は思います。実は、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)やつみたてNISAで積立投資をはじめた人は、ある意味、「バリュー投資」を実践しているのです。どういうことなのか、ご説明しましょう。
毎月、積立投資で決まった金額を投資すると、金額は一定なので「価格」に応じて購入量が調整されます。資産の「価値」がわからなくても、「価格」が安いときはたくさん買い、「価格」が高いときは少なく買う、ということになります。
もちろん、「価格」が高いときは買わないほうがいいですが、資産の「価値」がわからないので、本当に高いのか、安いのかわかりません。そして、安く買うことが「バリュー投資」ですから、高く買わない(=高いときは少なく買う)ことも、疑似的な「バリュー投資」になると思うのです。
つまり、積立投資とは、投資初心者でも自動的に「バリュー投資」ができる手法であり、高く買わないことで損をしにくくなる、と言えるのです。
では、積立投資をやれば、損をしないのでしょうか?そんなことはありません。もう1つ、大切なことがあるのです。次回はそんなことを一緒に考えていきます。乞うご期待ください。
大和証券
2020/6/26作成
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